天使の入江

ジャック・ドゥミといえば「シェルブールの雨傘」だが、初期に撮った「天使の入江」というのを、昨晩CSで観た。こいつはよかった。DVDボックスの紹介文を貼付けておきます。

「【天使の入江】
銀行員のジャンは、同僚の影響でギャンブルに嵌まり、父親に勘当されてしまう。ギャンブルでひとやま当てようとニースに赴いたジャンは、ある日カジノで出会ったジャッキーに惹かれる。ふたりはパートナーを組んで面白いように勝ち続けるが、ある夜大負けしてジャンの部屋に転がり込んだジャッキーは、ギャンブルで大切なものを失った過去を告白する……。オープニングカットがあまりにも有名な、スリリングな情熱と愛のものがたり。」

音楽はミシェル・ルグランギャンブル依存症の中年女ジャッキーをジャンヌ・モロー。いつもブロンドをかきあげ、ものうげにタバコを吸う。若いジャンは翻弄されます。
あまりにも有名なオープニングカット、というのは、最初ちょっと集中していなかったので不明だが、あれはジャンヌ・モローか、浜辺を歩く女性をカメラが捕らえたと思ったら、そのカメラが急速に手前に走り出し、女性が消失点に遠ざかるというもの。軽快なルグランのテーマ曲がそこにかぶさる。いかにもヌーヴェル・ヴァーグといった感覚ですね。ラストもちょっと衝撃的なカットで、あっというまに膠着した物語が終息する。あざやかなものです。まだCS(シネフィル・イマジカ)では放映されるようなので、ぜひ。