柘植文はおもしろい

okatake2010-01-21

「出身:群馬県 住んでいる場所:埼玉 趣味:読書 特技:石破大臣のモノマネ。そんな地味女子大生・野田さんの素晴らしき地味女子ライフ」を描いた柘植文(つげ・あや)の『野田ともうします』は、昨年読んでもっともおもしろいマンガの一冊だったが、格安バスツアーなどに参加したルポ『柘植文のつつウラウラまんきツアー』竹書房、もおもしろい。雑っぽく見える絵だが、じつは巧い。後ろ姿の描き方で実力がわかる。そして笑いのセンスはかなりのもの。これはいい。
終日、野呂邦暢を読んでます。いやあ、アンソロジーを作るって、むずかしいもんですね。拾うというより、落とす作業だ。三冊のエッセイ集のうち、『小さな町にて』がいちばん優れている。これ一冊を丸ごと復刊したほうが、とも思ったが、ほかの本からも入れたいものもあり、いやあ、まいったまいった。
前夜、福岡にいる姉に珍しく電話したのは、ぼくが中学のころ、姉と二人で一時期、実家近くのアパートに住んでいたことがあった。あれは、なんだったんだろう、と確認をした。すると、牧野の新築一戸建て住宅を買ったが、その住宅地にまだ電話が敷かれていなくて(いまじゃ、信じられないが)、商売をするのになかなか使い勝手も悪いこともあり、四戸が入ったアパートのようなものを買った。ところが、まだ入居している人がいて、出ていってくれなくて、そのあいだ、姉とぼくだけ、アパートを借りたということだった。ふむふむ、なるほど。水商売の人や、学生などが入居しているアパートだったが、あれは得難い体験だったな。親と一緒じゃ見られない「11PM」を見たことしか覚えていないが。
赤旗」1月17日付け読書欄に、大江健三郎『水死』の書評が掲載されています。同じページに、ナンダロウくんが『一箱古本市の歩き方』の著者インタビューを受けている。お見逃し無く。