まつごぉ〜!

蟲文庫さんからメルアドを教わり、ようやく「cavin」の原稿15枚を送る。「淋しい東京 夏目漱石『門』を読む」というタイトル。どうにか滑り込ませた感じか。一度書いたものを捨てて、新たに書き直したので、やっぱり疲れた。いやらしい話だが、タダ原稿なので、それだからこそいい加減なことは書けないという気持ちになる。
「門」の宗助は読書家ではない。『ポッケット論語』という本が何度か出てくる。「論語」によれば、とすぐ引用する人種がある時代まではいたが、たいてい原典ではなく、こういった一般向けに書いた本からの受け売りだ。同著は新潮文庫注によると、矢野恒太『ポケット論語』のこと。「論語通俗的に解釈した小型本で、明治四十二年に博文館から発行され、庶民層に愛読された」とある。矢野恒太は第一生命の創始者で岡山出身。同著は昭和32年に復刊されている。
毎日、穏やかな快晴がつづく。今日もまた年賀状が10枚近く届き、返信するにもハガキも切手もない。しかし、この年賀状だけでつながっている人もいて、なるべくちゃんと返信したいと思っている。
うっかり彷書月刊の連載を忘れていた。いまから書きます。
東所沢に「ブ」があるのだが、地図検索すると、住所が牛浜で、隣りの町が「松郷」。「まつごお〜!」と言えば、「となりのトトロ」のなかで、メイを探しに七国山まで走っていくサツキが途中、トラクターを運転する若い男女と出逢い、「おまえ、どこから来たんだ?」と聞かれ、「松郷」と答えると、男が驚くセリフ。七国山は西武園前にある八国山をモデルにしていると言われ、母親が入院する「七国山病院」とはこの八国山に隣接する「新山手病院」がモデル。実際には厳密なモデルではなく、宮崎監督がいろんな場所をコラージュしているらしいが、位置関係は「となりのトトロ」(ネコバスには「牛浜」行きとある)と合致している。ここは旧・保生園という結核療養所だ。なんてことがウィキペディアでわかる。北多摩地区にはほかに清瀬の療養所もあり、ここは福永武彦吉行淳之介結城昌治などが入院していたことで知られる。
おかげで、一つ、ネタができました。
嵐が人気だそうで、ぼくは二宮くんとあと一人ぐらいしか顔が識別できないのだが、借りてきたDVD「黄色い涙」を見て、ようやく5人の顔がわかった。永島慎二黄色い涙」と言えば、どうしてもNHKドラマ(森本レオ主演、下条アトム、岸部シローほか)のイメージがあり、どうしたって違和感がある。しかし、引用されているモンテルランの詩「無駄奉公」堀口大学訳)はよかったなあ。

今にして人は知るのだ
人生は人を欺かないと
人生は一度も人を欺かなかったと