2010年

もうとっくにあけてますね。前にも書いたことがあるが、この365年で一年が円環するというのは、まことにありがたい習俗で、このとりあえずのリセットがなければ、気の狂う者が続出するだろう。新年で旧年のことはちゃらになり、また新しく始まるという気持ちがあるからこそ、生きていけるのだ。
元日の年賀状は、午前と午後と2回配達があって、ぼく宛てには約110枚ほどが送られてきた。こちらから出したかどうか、不明のものもあり、とりあえず残しておいた年賀状で返信を書く。これで午前がつぶれた。ごく簡単なおせちと、お雑煮で新年を祝い、家族で近所、といっても20分ほど歩く氏神さまへ初詣で。斜面に立つ、いつもはひっそりした神社だが、この日はだるまや綿飴が売られ、無料の甘酒がふるまわれる。参拝には長蛇の列ができていた。その横で大きな焚き火が。太い幹を銅切りにしたものが盛大に燃えている。参拝の順番がきて、黒岩さんのことを祈った。めったに他人のことを祈ることなどないが。
妻と娘は初売りのある(ユザワヤは閉店セール)吉祥寺へ。ぼくだけ、「じゃあ、初出勤に行ってくる」と告げる。「どうせ、ブックオフやろ」と娘。
文庫数冊とあとあれこれと、廉価版DVDで小津『長屋紳士録』『風の中の牝雞』を各250円で買う。
ちょっとムレありで105円で買った『みうらじゅん対談集 正論』(コアマガジン)がめちゃくちゃおもしろい。みうらじゅんにかかると、西城秀樹まで、わかっている人に思えてくる。
今年はもう始まっている。元旦から仕事の準備で始動する。
いかに自分を飽きさせないで、次々と手を打って、おもしろがることができるか。オドロキを持続させられるか。