カーネーションはいいなあ

いよいよ押し詰まってきた年の瀬に、渋谷へ。このところ、やたら井の頭線に乗っているなあ。
渋谷のライブハウスＯーWESTでの「カーネーション」ライブに招待されたのだ。横尾さん、さんきゅうです。
ネオンがチカチカ、テンションのやたらに高い雑踏を抜けて円山町へ。交番前交差点を右折するとラブホテル街。ここにライブハウスも集まっている。どういう相関関係か。受付をすませ、立ち見客でおしくらまんじゅうの一階でドリンクを頼み、二階席へ。７時始まりで、けっきょく２回のアンコールを含む３時間近いステージとなった。ベースの太田氏が途中「今日来た人はよかったよ。こんなの見られないよ」と言ったぐらい、直枝氏が乗りまくり、終盤にさしかかって３曲ぐらいノンストップで、エキセントリックな演奏を続けた。暴れ馬を御するように、ギターを操る直枝氏は、エレキギターという楽器の機能や特性を出し切ろうとしているようだった。ギター、ベース、女の子のドラムというトリオに、今回、キーボードが加わって、シンプルな編成なのだが、かえって他の楽器にもたれあわない厚みのある演奏になっていた。激しい曲もいいが、メロディアスなポップチューンにぼくは心惹かれた。ぼくは最近のバンド、ほとんど聞いていないが、カーネーションはいいなあ。アンコールのところで、会場に「山王書房」の息子さん、関口直人さんを発見し、最後はいっしょに。ライブがはねてから、関口さんと古い渋谷の町の話を聞きながら少し歩き、ワインバーで仕上げをして帰る。関口さんに来年「大人の本棚」で野呂邦暢エッセイ選を編むことを話し、山王書房について書いた文章はぜったいに入れますと約束をする。
「デ」で買った「dankaiパンチ　東京に吹く風　昭和40年代ポップス」（麻田奈美ヌードがジャケット）を聞きながら、これから仕事をします。