年末

okatake2009-12-21

「な、なにをするんや! ウェッジ文庫」と、いつも目を丸くして驚くのだが、今回もなんだかやってくれましたね。
シブく地味に、ということで「しぶじみ」文庫とも呼ばれている(いま、ぼくが勝手にそう呼んだ)が、のぐちふじお、すすきだきゅうきん
と来た日には、往年の中公文庫も参りました、というところ。いったい、どこまで行くのか、行方を見守りたい。
いつもお送りいただき、ありがとうございます。

作家の手―野口冨士男随筆集 (ウェッジ文庫) 野口 冨士男/ 武藤 康史・編 (文庫 - 2009/12/21)
¥ 780

独楽園 (ウェッジ文庫) 薄田 泣菫 (文庫 - 2009/12/21) ¥ 700

白水社からは、佐川美加『パリが沈んだ日 セーヌ川の洪水史』が。まったく、変なところに目をつける人がいるもんだ。
パリの中心部を流れるセーヌ川が、じつは紀元前からくりかえし氾濫し、町を水びたしにしてきたという。カバーの写真は、建物一階部分まで完全に浸水したパリで、ボートを漕ぐ人が写っている。これが1901年。パリは湖になった。

筑摩書房からは旧著、嵐山光三郎昭和出版残侠伝』が。これが来年ちくま文庫に入ることになり、解説を頼まれた。80年代、平凡社を辞めた嵐山さんが出版社を起こし、疾風怒濤の日々を送る。これはおもしろいんだ。再読が楽しみ。

赤旗」からは、大江健三郎の新作『水死』講談社の書評依頼があって、これも年末から年始にかけて読む。

19日、「みちくさ市」で買った、関西石材創業者、上山元市の渡欧アルバムを、ひ孫にあたる30代の男性に無事手渡す。関西石材はいまも健在。アルバム発見は、まだ親族に内緒で、来年の正月、一族が集まったところで見せて驚かす、と言っていた。この話、27日(日)コクテイルライブでくわしく話します。
国分寺改札で、岩田和彦さんと待ち合わせ。ギターとアンプ持参の岩田さんとカラオケをしよう、と計画していたのが実現。ただし、国分寺のカラオケは1時間以上待ち。武蔵小金井まで流れて、2時間、岩田ギターとハーモニーつきでカラオケをする。

20日、夕方からNEGI邸で岡崎武志特選ビデオを観る会パート3、プラスクリスマス会を。
吉祥寺「ブ」で、何か電車で読むものをと、J・ロバート・ジェインズ『虜囚の都 巴里一九四二』文春文庫を。カバーは宇野亜喜良さん。http://www.amazon.co.jp/虜囚の都―巴里一九四二-文春文庫-J-ロバート-ジェインズ/dp/4167527901
栞会の幹部メンバーが全員集合。和田誠出演「徹子の部屋」、山口昌男がルデュへ行く「世界わが心の旅」、そして旅猫カネコがDVDに焼いてくれた、86年超豪華メンバーによる、さんま司会のクリスマス音楽ショーを見る。音楽通のモンゴさんは、これを録画したビデオを持っていて、5回も観ているという。清志郎と桑田が、罵倒語だけを繰りかえすオリジナルソングを掛け合いで歌い、山下洋輔がピアノを弾き、最後はものを投げ合い、むちゃくちゃになるのとか、大いに盛り上がる。いかにもバブリーな音楽番組だった。
恒例のプレゼント交換では、ぼくは谷口ジローのマンガ、戦前宝塚パンフ、斉藤哲夫CDセットを(石原くんに渡った)、ノンちゃんからスノードームをもらった。
帰り際、ぐーるどさんが、飯田橋「ブ」で佐藤泰志を2冊、105円で抜いたという話を。『海炭市叙景』と『大きなハードルと小さなハードル』。ぼくなんか、「ギンレイ」へ行く度、同店を覗くのだが、いつもほとんど買えない。ぐーるどさんは、この日、棚をぱっと一瞥しただけで、今日はなにかが違う、とわかったそうで、果たしてそうであった。「腕が上がったなあ」と、ぼくは感心し、二階級特進を告げる。いちおう、ぐーるどさんはぼくの明大「古本講座」の教え子ですもんで。