負けないぞ、関西人

okatake2009-11-30

本日、オイルヒーターの電源を入れる。冷え込んできました。
また、学校の夢を見て目覚め、しばし茫然。午前中に毎日「あったあった」で1973年の「FMファン」を取り上げ送稿。午後、「ビッグイシュー」の年末進行で、杉浦日向子『うつくしく、やさしく、おろかなり』ちくま文庫について書く。
女性誌から依頼された、テーマ別ベスト5について、選書して送る。夜はBSで「ダーティ・ハリー」を。いったい何度見ただろうか。
朝日読書欄のコラムで佐久間さんが、杉山平一の自選詩文集『巡航船』編集工房ノアについて書いていた。さすが、佐久間さん。杉山平一の文業について、もっともっと口を出さなければいけない。これは関西人の務めである。
『巡航船』の「覚書」で杉山平一さんがこう書いている。
「感情が煮えくり返る、とか、目を皿のやうに、とか、痒いところに手がとどくやうに、とか、言ひ慣らされてゐる言葉の表現の生理的な生ま生ましさには感心する。湯が沸騰して、底から煮えくりかへつてゐる情景は、我々の感情に実に適切である。火からおろして、いくら冷やさうとしてもなかなか冷えない。長い時間かかつて徐々に冷えて行くところまで、我々にぴつたりする。煮えくり返るといふ言葉は、もはや本来の意味よりも我々の気持の方につかふ」
ぼくは50過ぎて、大阪出身でよかったなあ、とつくづく思っている。だから、こんなに東京が好きにもなれるのだ。
「ちくま」最新号が届いたが、表紙は林哲夫さん。魚雷くんが連載で「パピーニ、行き詰まる男」を書いている。ジョバンニ・パピーニという本好きで貧乏だった未知の作家の本を、人まねでない、ジャストミートの手応えで紹介している。背伸びも虚勢もない、来る球だけをジャストミートする魚雷くんの仕事に感服する。これは仲間ぼめではない。ブログでもミクシィで始まった連載エッセイでも魚雷くんは荒れ球にも変化球にも手を出さず。目の前に来た球を、いい音をさせて打ち返している。そこに、試行錯誤しながらたどりついた品格が感じられる。「スムース」のメンバーが次々といい仕事をしていることが、いちばんの励みになる。気張らず、怠けず、ぼくもぼくの球を打ち返していきたい。
まだ公表できませんが、来年そうそう、いい話がいくつか。負けません、大阪人は。