昨日のこと

okatake2009-11-29

昨日は、武蔵小金井で、晶文社『雑談王』を担当してくれた島崎勉さんと待ち合わせ。ネットで検索して、商店街の喫茶Kを指定したのだが、当日行くとなくなっていた。島崎さんはケータイを持たぬ人だし、どうしよう、どうしようと駅周辺を右往左往していると、ぼくのケータイに公衆電話から電話が。よかった、島崎さんだ。前方を見ると、島崎さんを発見。ケータイで喋りながら近づいていく。
すっかり武蔵小金井も変わってしまって、と詫びる。近くに落ち着ける喫茶店はありませんかね、と言うと「落ち着けるかどうかはわかりませんが」と、珈琲豆を自家焙煎している店が少し喫茶スペースを設けていて、そこへ行く。「スムース 特集晶文社」の取材をする。島崎さん、ずっと体調を崩されていて、長時間、連続して話をお聞きするのは申し訳なかったが、何度もあるチャンスではないので、根掘り葉掘り聞く。一時間を越えるころから、かなり疲れが見え、ずっと肩をぐるぐる回してらした。もうここまで、というところで遠慮する。それでも貴重な話がずいぶん聞けたので、まとめるのが楽しみ。一つだけ披露すると、ネットで検索した中村勝哉前社長について、「金は出すが口は出さないオーナー社長」というようなことが書かれていたが、島崎さん、首を振りながら、「口は出しましたよ。経営者なんだから当然です」と。植草さんについてのエピソードも。「スムース」来春にはなんとか出るといいが、をご期待ください。
林さんとのトークコクテイル)でお配りした、アンケートにもぜひお答えください。答えてくださった方には、最新号をお送りします。
島崎さんと別れ、すぐ近くの古本屋で晶文社本を3冊買う。やっぱり欲しくなるよ。
荻窪「ささま」へ寄り、12月コクテイル・ライブの告知チラシを置いてもらう。均一で「うたの絵本 どうぶつのくに/川上四郎・絵』を見つけうれしくなる。店内で、未所持だった『吉本新喜劇のすごい話』420円、これは新刊。新喜劇の座長たちが芸人のエピソードを披露。これがおかしい。某誌の本特集で「笑える」「泣ける」本ガイドという注文があって、これを加えよう。『ラブ アーキテクチャー キキ』TOTO出版は建築ガイド840円。
高円寺の即売会も覗こう。中村光夫先生追悼文集『世にあるも 世を去るも』は函入りの端正な造本。500円は安い。文芸評論家・中村光夫は本名の木庭教授として明大の大学院で教えていた。その院生たちによる回想録。中村光夫の素顔が覗けておもしろいが、みな学恩を素直に感謝しているなかで、Uという男の一文は底意地が悪く、一読不愉快になる文章だった。「中村氏あるいは木庭教授について師弟関係があるながらあえて〝先生〟と言わないのはフランス語についてもフランス文学についても何の学恩も受けていないからである」と始まる。中村の容貌に触れ(美男でない)、女子学生に優しかったと。いやらしい描き方だ。よほど腹に据えかねることがあったのかどうか、しかし追悼文集にこれはルール違反である。素直に首を垂れる気持ちがないなら、執筆を断ればいいだけではないか。
そのほか諸々買って、「ナジャ」でジャズを聞きながら休憩。「コクテイル」で『あなたより貧乏な人』の精算。売れ残りの10冊梱包を持って帰ることに。残った4冊はそのまま置いてもらい、サインとイラストを入れる。久住卓也くんがちょうど来ていて、いま銭湯を巡り、手拭いを作る仕事をしているとか、で銭湯の話を。武藤良子さんがいればなあ。
コクテイルの移転先もほぼ決まり、来年一月、いまの店の造作を移動させたあと、しばらく店内に屋台をひっぱりこんで「古本屋台」(QBB『古本屋台』/「彷書月刊」連載)を実現しようという企画があるという。これは作者の卓ちゃんが乗り気なのだ。じゃあ、客役としてぼくと魚雷くんが行かなくちゃ。
今日はたまった仕事をします。