本のソムリエ!

「本のソムリエ」という人がいるらしい。最近、話題になっていて、あちこちで目にするが、これは「古本ソムリエ」山本善行のことではない。都内江戸川区の新刊書店店主が、店内で本探しをしている客に近づいていって「どんな本をお探しですか?」と訊ね、悩みを聞き、それに合った本を選ぶ。つまり処方する。ユーチューブで検索すると、出てきた。ヤバいぞ、ちょっと外見がぼくとかぶっている。清水克衛さんとおっしゃるそうですが、ううむ。

http://www.youtube.com/watch?v=QML2ojbx2WY

丸の内「丸善」店内で、松岡正剛が選んだ2万冊を展示即売するコーナーも話題になっていて、魚雷くんが取り上げている。本が売れない時代、あの手この手でやれることはやったほうがいい。どんな本を読んでいいかわからない、と考えたことは一度もない(3回生まれ変わっても読み切れない本が待機している)ぼくたちにとっては、ちょっと薄気味悪い現象だが。
古本屋ではときどき、無用な客を追っ払うため「どんなホンをお探しですか」と訊ねることはある。次から次へと、本を出し入れするだけの客はそう言われる。
千林にある「T」書店の若い(当時)店主も「どんなホン、お探しですのん?」と、これはリサーチを兼ねて、よくぼくや山本に訊いてきた。
こうなったら、もっと「古本ソムリエ」を世に押し出して、「本のソムリエ」さんと「タモリ倶楽部」で対決させたい。
中川六平『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』(講談社)は、70年代初頭の時間を肌で感じさせる、おもしろい本です。これは映画にできるんじゃないかな。越川さん。
岡崎武志監修『太宰萌え』毎日新聞社
岡崎武志編『古本検定』朝日新聞社出版
岡崎武志著『あなたより貧乏な人』メディア・ファクトリー
なんとかひとつ、よろしくお願いします。「本のソムリエ」さんにこれらの本を勧めてもらうとしたら、どんな悩みを打明ければいいのだろう。
「ぼくぐらい貧乏な人はいないと思うんです」「いえ、そんなことはありません。『あなたより貧乏な人』がいますよ」
って、そんなベタな。