長々と今日のこと

okatake2009-10-14

どうも肩こりのように屈託が去らず、今日も山へ出かけようかと思ったが、起きたのが遅くあきらめた。
朝食をとりながら「地井さんぽ」を見る。
午少し前、昼飯食べがてら吉祥寺へ。『けい子ちゃんのゆかた』に、生田駅前の中華「味良(あじよし)」のたんめんが旨い、とあり、たんめんが食べたくなった。それに、久米明朗読「門(下)」4枚組の続きを聞くため、どこか、歩きながらと思い、井の頭公園から神田川沿い、玉川上水沿いとたどり高井戸まで歩くことにする。
吉祥寺「ブ」へ寄ったら、10月8日リニューアル、とあり、そんなに変わったように思えなかったが、二階の従業員休憩室だったところが女子コミック売り場になった。あ、それで、さっき、店へ入ろうとしたら、従業員が三人、隣りのビルのなかへ入っていったんだ。そこに休憩室が移動したのだろう。
105円の単行本の棚が嵐が去ったあとのように、ガタガタになっているのを見て、たぶんいい本がたくさん出て、すべてかっさらわれていったのだと思う。
おとなしく文庫2冊だけ買って、吉祥寺駅井の頭公園口、目の前の「おおむら」へ入る。ここのたんめんが旨いんだ。近くに「日高屋」ができたから、大打撃かと思ったが、昼時、途切れず、客が入ってくる。この「おおむら」、「自虐の人」に出てくる中華屋のおやじに似た男性と、ちょっと幸せ薄そうな、色白でなかなかきれいな女性とのコンビ。隅で、半チャンを食べてる帽子のおやじが、この女性に話しかけるが、よく聞こえない。おやじが通訳している。そして、女性に紙を渡した。半紙に筆文字で「愛は(以下不明)ナントカは腹八分」と書かれている。「どうだい、いい文句だろう」と言う。その女性、「わあ、ありがとうございます」とか、適当に礼を言っておけばいいのに、ただ困惑した顔で、「愛はどうたらこうたら」の紙を持って立ち尽くしている。たまりませんよ、この空気。
「門」の二枚目をセットし、井の頭公園を抜け、神田川沿いを歩き出す。しゃがめば手で触れられる川の水が光っている。三鷹台で駅前通りを右折、玉川上水沿いにコースを変える。こんもりと森のように木が茂った並木の下、土の道を歩く。久米明の名調子が歩くテンポにうまく合う。中央自動車道と合流するところで、また神田川沿いの道に戻り、ゴールは高井戸駅。1時間強ぐらいの散歩だった。ちょうど「門」の二枚目も終った。駅前のミスドでドーナツとカフェオレで休憩。目の前のバス停から荻窪行きに乗り、荻窪へ。バスの車中、目の前の席に、お腹の大きい若いお母さんと、3歳ぐらいの女の子が座っている。女の子が隣りのお母さんに「ありがとぅ」と何度も礼を言う。「り」は「い」に近い発音。三度目に「ほんとうにありがとう」と「本当に」をつけた。こんな小さな子が「本当にありがとう」と使うのは珍しいのではないか。なにがあったんだろう。
「ささま」で均一3冊、なかで、高橋英夫漱石論集『洋燈の孤影』幻戯書房を840円で買う。こんなの、出てたってしらなかった。均一で買った小田島雄志シェイクスピアより愛をこめて』は、裏見返しに、かつて阿佐ケ谷駅南口にあった「佐伯書店」のシールがあったので。ノムラくんに「おかざきさん、『ヴィヨンの妻』(映画)いいですよ。観てください」と言われる。
CDを聞きながら、漱石『門』を読んでいて、読了。
書評用、坂崎重盛『神保町「二階世界」巡り 及ビ其ノ他』平凡社、届く。
坪内祐三『風景十二』扶桑社を受贈する。