高尾山から八王子

連休前より山行きのモードになっていて、今朝早起きして9時前に家を出る。高尾行き快速はすでに山行きのスタイルの客が大勢。駅に着いたのが9時30分で、北口から出る小仏行きバスが31分なので、次のに乗ろうとゆっくり改札を出たら、停留所にまだ止まっている。しかも、次のバス待ちの客が長蛇の列。止まっているバスがまだ乗れそうで、走って飛び込む。走り出すと、前に同じ小仏行きが走っている。たぶん増便したのだろう。おそろしいぐらい、高尾に登山客が押し掛けている。
じつは高尾からバスに乗るのは初めてで、いつもは小仏からバスで高尾までの帰りに使うのだ。日影で降りるか、小仏で降りるか迷っていたら、日影で降りる人が後ろから「ちょっとすいません、通ります」と押してくるので、そのままところてんのように降りた。ところが登山口がわからない。まあ、みんなの歩く方向へ行けばいいかと思って歩き出すが、先へ先へ行く人もいる。景信山へ登るのだろうか。
沢に沿って、緩やかに道が延びる日影沢林道を選んで歩き出す。高尾山口から稲荷山コースというのが、ぼくは多いが、あっちはいきなり階段に取り付いて、標高差を上げていく。すぐに息がきれる。こちらは、のんびりと右に左に沢の音を聞きながら、車も通れるようになっているガラガラ道を歩く。途中、パイプから勢いよく水がほとばしる場所があり、これは飲めるということだ。飲むと、山の水がまろやかで甘く、おいしい。
試運転中のコンタックスを持ってきたが、すぐにシャッターランプがつかなくなる。電池を替えたら、しばらく使えたが、またうんともすんとも言わなくなる。やっぱり、このカメラ、ダメかな。
日影沢林道の先がどこに続いているか、高尾山頂か城山か、わからず歩いていたのだが、一時間ちょっとで城山山頂に。ひさしぶりなり。茶店前の休息所は満員なり。弁当を広げ、茶店なめこ汁(250円)を。なめこの量が少なくなった気がするが、豆腐も入って良心的。うまい。コンビニで買った、鯛飯弁当を広げ、食後にコーヒー(200円)。お湯を入れてくれるカップラーメン(300円)やおでん(500円)、ビール(400円)も次々と売れていく。山の空気に包まれながら、持参した庄野潤三『けい子ちゃんのゆかた』を少し読む。庄野さんを偲んで、都心に出たらよく立ち寄ったという、大久保の居酒屋「くろがね」に無性に行きたくなる。
帰りのコースは迷うが、一丁平から高尾山山頂下、稲荷山コースで高尾山口というロングコースをひたすら歩く。午後になっても、どんどん若者、家族連れ、老人が大挙して押し寄せてくる。
過去数年、途中、足が(ふくらはぎがつる)痛くなったりして、困ったが、今日は最後まで無事に歩き通す。ほっとした。うれしい。ありがとう。(マルC庄野潤三
高尾への乗り換え口、トイレで汗びっしょりのTシャツを脱ぎ、新しいシャツを着る。脱力感と重い疲れをいっしょに脱ぎ捨てたような気分だ。
八王子で途中下車し、駅前で盛りそばを食べ、「八王子古本まつり」を覗くことに。長い商店街に、一列にずっと各古本屋がワゴンで出店している。とりあえず、一番先まで歩き、ぶらぶらひやかしながら戻ってくることにする。途中、文雅新泉堂さんがいて挨拶。駅近くはにぎわっていても、ここまで客が来ない。二週間前にとつぜん言われて、あわてて準備した、とのこと。ちょうどおじいさんが本を一冊買った場面に遭遇したが、「このへんに、まだ古本屋あるの? どこへ行けば古本屋があるの?」などと文雅さんに質問している。即売会のコテコテの古本で煮染めたような客と違い、なんとウブなこと。
けっきょく、三冊100円というワゴンで6冊。ほか5、6冊を買う。「ブ」も少し覗いて帰宅。足が重いような軽いようなふわふわしている。帰って水を飲み、二時間ほど寝てしまった。これから仕事をします。