タイフーンと「中央公論」

okatake2009-10-08

台風一過、もう晴れてらあ。TBS、朝は台風直撃のまっただなか、という感じであったが、帰りはもう晴れ間が。都心の通勤者たちは、もう傘をたたんで、強い風に耐えながら歩いている。
例によって眠い。一眠りしてから、それともこのまま溜まった仕事をするか。
昨夜は千駄木で、ナンダロウくんを幹事に、上原隆さん、栗原裕一郎さん、黒岩比佐子さん、ぼくで飲む。ライター稼業のあれこれを、本音で喋ろうという会。ぼく、かつて某教育雑誌(いまはまったく関わってない出版社)で、ずっとギャラの振込みがなく、ついにぶち切れて、「いまから乗り込む。怒っているから何をするかわからん。覚悟せえよ」とぶるぶる震えながら電話で脅したことがある。結局、振り込まれて仕事は止めたが、そのことをみなさんの前で話しながら、また憶い出して、帰りの電車のなかでも一人でずっと怒っていた。あのとき、電車のなかで、何かトラブルがあったら、そのままのテンションで新聞ざたになるようなこと、したかもしれない。栗原さんもとりっぱぐれている原稿料がある、と言っていたな。黒岩さんが長いライター生活(25年)の中で、意外な話を。上原さんはフリーになってまだ数年だが、苦境を語っていた。浮き沈みと、一部人気もの書きに仕事が偏る業界で、生き残ることの大変さを改めて思う。
昨日は「ギンレイ」で「スラムドッグ$ミリオネア」を観る。始まってすぐに、これは! と傑作を確信する。クイズ番組に出てくる難問をすべて解答し、その問題が、すべてスラム育ちで、過酷な少年期を送った主人公の、やむにやまれぬ生活の局面で得た知識、経験に符合する、という内容に、真直ぐなラブストーリーが重なる。何度も笑ったし、息詰まるシーンでは歯をくいしばってみた。最後の駅のホームでの群衆によるダンスシーンまで、だれたところがなく、エンターテインメントとしても一級の作品ではないか。
「古ツア」さんに、牛込神楽坂都営大江戸線)近くに、10月4日オープンの、夫婦が始めた古本と雑貨の店「クラシコ書店」の存在を教えられる。ちょっと古本屋の無風地帯だから期待がもてる。ぐーるどさん、ただちに偵察お願い。
http://www.clasicoshoten.com/index.html

中央公論」11月号とどく。特集「古本屋めぐりは楽しい」に、「古本ライター、五十三歳の大決心 『古書 善行堂』開業泣き笑い実録」という9ページものの長文を、山本が書いている。また、同号グラビア「私の仕事場」も善行堂。こんなこと、124年の「中央公論」史上あっただろうか。ちょうど、台風で娘の学校が休校とあって、午後、家族で買物にでかけるとき、この「中央公論」がポストに届いていて、これをカバンに入れて、「ブ」「ヨーカ堂」へ。「ヨーカ堂」ではちょっと秋ものの衣服を二点買い、スナックコーナーで待ち合わせ、たこ焼きをつついていると、妻子があらわれ、読んでいた「中央公論」を娘に見せると、ぶんどられる。「山本のおっちゃん、凄いなあ!」と言いながら、たこ焼きを食べながら、山本の記事に読みふける娘。「山本のおっちゃんの店、たこやき屋やってんなあ!」としきりにカンゲキしている。