大役終えて

okatake2009-10-05

梅雨の晴れ間のコンサート、というのが大阪でかつてあって、あれはABCの主催だったか、そんな雨続きのなか、唯一の晴れ間という感じの昨日、東京古書会館で「古書の日」のイベントが開かれる。ぼくは、司会進行の役をおおせつけられる。応接室で、この日再現された「椀伏せ」という古風な入札方法に出席される、古書界の重鎮たちと用意された弁当を食べる。大屋書房さん、沙羅書房さんなど、「椀伏せ」体験者が、古書業界のむかしの話をいろいろと雑談。明治の元勲たちの、幕末維新の話を聞いているようだ。
地下の即売会会場に、畳四畳を敷いた大きな壇上ができて、その上で椀伏せが実演された。前日、別のメンバーで予行演習がされていたので、こちらは安心。パラディさんに、しきりに「盛り上げてください」と言われたのだが、しかし、これを盛り上げるというのは難しい。最後、「東京オリンピックの招致は失敗しましたが、いやあ、この古書オリンピックのほうが」と用意したギャグが、思いもかけず連発された客側からの質問で吹き飛ばされた。こういう場合、たいてい「質問は?」と向けても出てこないものだから。
振り市では名手・飯島書店さんにより、次々と品物が競りにかけられる。4分の1が、値がつかなかかったが、これは飯島さんによると、「今日は見物に来た人が多いから。青展に来てくださいよ。こちらは競り目当てに来てる人ばかりだから盛り上がりますよ」とのことだった。ぼくは毎日新聞社がつくった「フクちゃん手拭い」3点を1200円で落とす。しかし、「フクちゃん手拭い」はなく、「週刊文春」がつくった、作家の寄せ書き手拭い2点と、力士の手形の入った手拭いが入っていた。もちろん、これでいいのだ。
「栞会」幹部メンバーが会場にたくさん来ていて、出久根達郎さん後援会の紹介だけして(出久根さんには失礼してしまった)お役目を終え、みんなでお茶をする。喇嘛舎前の広いカフェを朝日の小柳さんが知っていて、ここは広くて本当によかった。この日のためポンプで上げたテンションが、だんだん静まっていく。どうしてこんなに疲れるのだろう、というぐらい疲れた。お茶を終えてもまだ3時半で、穴八幡、五反田、高円寺と古本の選択肢はあったが、行くのはいいが、帰る元気がないと思い、途中下車のできる高円寺へ、石原、コウノ、ぐーるどというメンバーで。しかし、本を売ったばかりで、どうも買う方の気持が抑えられて、一冊も買わずに出てしまう。
帰宅して夕食にビールを飲んだら、11時ぐらいまで寝てしまった。
朝日「古本検定」の原稿をまとめて読んで、「まえがき」「あとがき」のゲラをチェック。メインライターの北條くんの「解答」が簡潔で、よく調べられていて、ちゃんとお得な情報も盛り込まれている。感心した。教えられたこともある。さすが、だな。この本が評判になったら、それは北條くんの手柄だ。20日発売。薄い本で定価が2000円ぐらいになりそうだが、とにかく手間がかかっているので、仕方がない。
二日、ほぼ何もしなかったから、今日は仕事をします。 
「書肆紅屋」さんに教えられたが、当日の様子が動画で見られます。おや、北條くんが映ってるぞ。
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/200910047.html