溶け出しそうだ

okatake2009-09-09

うす曇りのなか、青春18の残りを使って西荻へ。「神保町ガイド」取材最終日。「にわとり文庫」「音羽館」「興居島屋」とまわる。なんだか、撮影に立ちあっただけで、取材らしきことは何もせず、雑談だけして帰ってきたという感じであった。みんな、知り合いだものな。心身ともに疲れ気味で、「にわとり文庫」に大量に出ていた、駄菓子本ともいうべき、昔の小学生ノートとか、雑誌フロクとかを一袋分買いあさる。犬を三輪車に乗せたコドモの紙ものフロクとか、どうすんの、というものばかり。しかし、楽しい。いま、ちょっと「にわとり文庫」を覗いてごらん。100円でたくさん、冷たい額を温めてくれる駄菓子本が大量放出されています。なかでも買物は、昭和30年代初めらしき、「痛快ブック」のふろくマンガ『影の男』。片岡千恵蔵「七つの顔」シリーズをそのままパクった、「影の男」が活躍する探偵活劇映画絵物語。これが、全頁、全コマ、まぬけな絵柄と、すっとこどっこいのストーリーで笑える。これ、どこか会場を借りて、プロジェクターで全コマをスクリーンに写しながら、突っ込みを入れて公開したいな。たいていの悩みは吹き飛びますよ。
音羽館」には溜まった新刊を売って、そのお金で、ごそごそと均一を。澁澤龍彦堀内誠一往復書簡『旅の仲間』(晶文社)も2500円で出ていたので買っておく。昨年の六月には、まだこういう余裕のある、大胆、典雅な本が出せていたんだ。宮里くんが晶文社に残した立派な仕事だ。
広瀬くん、カメラのMくんと「赤レンガ」でお茶をする。Mくんは、ささまのNくんとも知り合いで、かつて一緒によく飲んだ仲間。広瀬くんともボーリングをした、なんて話を聞いていたのに、広瀬くんに「彼はMくんと言って」と紹介してしまう。「興居島屋」でも、澄ちゃんに、「こないだ田村さんのトークがあってね、元気そうだった」と言ったら、「何言うてますのん、おかざきさん、わたし、いましたよ。いっしょに電車に乗って帰りましたやん」と言われる。これ、かなり危ないでしょう。「音羽館」へ行くときも、しばらく歩いて、曲がるところをとっくに通り過ぎて、「あわわ、ごめん、通り過ぎちゃった」とMくんに謝る。謝って済むことで済んでればいいが、そのうち溶け出してしまいそうな。
夜、がしがしと仕事を片付け、いったん休憩。金麦、フォアローゼス水割りと杯を空けながら、ひさしぶりに清水靖晃の名盤「北京の秋」を聞き、ストリングスものを聞きたくなって、チャーリー・ヘイデン「NOW IS THE HOUR」を聞く。明日はTBS、そしてナンダロウくんに取材だ。これも青春18ラストを使って行きます。
おお、そうそう、善行堂にホームページができましたよ。アホアホ中嶋くんがフォーマットを作成。すっきりして、いい感じ。ここに善行堂の本が並び、日本国中から買えるようになる。
http://www.hat.hi-ho.ne.jp/zenkoh/