長野から

okatake2009-09-06

夕方、長野から帰ってきた。国立駅を降りたら、3、4日、留守にしたような心持ちがした。長い二日だったのだ。
5日の早朝5時半に国立を出て、高尾、岡谷と乗り継ぎ長野へ。この岡谷で乗り継いだ「みすず」だったか、普通列車だが席の座り心地もよく、振動も少なく快適だった。長野で長野電鉄に乗り換え、地下から地上へ、30分ほどで小布施へ。昨年、胸の痛みをこらえながら、妻と長野、松代と悲鳴の旅をしたことを憶い出す。長野から小布施まで、650円もする。往復だと1300円だ。家族三人で長野へ買物に電車を使うとそれだけで5000円近くかかる。長野の人がみんな車に乗るわけだ。
もうどこへ行ってもそうなのだが、駅前はがらんとして人影もなく、土日だというのに、食堂らしき店も閉まっている。あ、こんなに詳しくレポートしたらダメなんだ。とにかく小布施発、初の「一箱古本市」を覗き、モンガさん(一箱参加でギネスに挑戦?)、どんべーぶっくすさんに挨拶。赤いポロシャツがよく似合うナンダロウくんと喋る。「追分コロニー」の番頭さんも来ていて、一緒に昼食。「追コロ」のブース(息子さんが店番)から、高橋克彦北斎殺人事件』(講談社文庫)を買う。ついさっき、ナンダロウくんから「高橋克彦の『北斎殺人事件』に小布施のことが出てきますよ」と聞いたばかり。結局、旅のあいだにこれを読了。
小布施は町の中心部に美術館やお店が集まっていて、そこへ、観光バスがドカンドカンと着いて、大量の買い物客を吐き出し、食べて、買って帰っていく。それ以外は閑散としている。みな日帰りで、ホテルや宿泊施設もないそうだ。モンガさんたちはユースホステルに宿を取り、ナンダロウくんは二つ向うの須坂のビジネスホテルに泊まるという。なんか、変だなあ。しかし、小布施にあたらしくできた図書館「まちとしょテラソ」は平屋建てで斬新なフォルムを持つ素晴らしい施設だった。
ぼくは、車中で1、2時間しか寝てないのでふらふらして来て、長野へ早々と戻る。長野電鉄で、長野まで行かず、一つ手前の市役所前で降りると、山崎書店がすぐ。けっきょく、古本屋がないと元気が出ないのだ。ここは店頭に文庫20円均一があり、けっこう買えます。お! へえ! と7冊拾う。『真鍋博プラネタリウム』も20円だ。新書が50円で後藤明生『小説 いかに書くか、いかに読むか』講談社現代。
あ、こんなに詳しく書く時間がないんだ。この夜は、初めて入るジャズバー「グルービー」で、いきなり客がギターを弾き、女性がマイクで歌い出し、スタンダードを6、7曲やった。ライブ、という告知はなかったから、どういうことか。しかし、得した気分。幽霊が出そうな、たそがれた、暗いビジネスホテル(冷蔵庫もない)で一夜を過ごし、松本下車でさらっと、まるもでコーヒー、ソバ食って帰ってきました。二日遊んだので、今夜はまたくーーーーーっ、とがんばります。明日から三日、取材がある。ビジネスホテルにいたら、携帯で某新聞社から電話。「いつも急で申し訳ないですが」というので、明日締め切りか、と思ったら、一週間後で、一本書評を依頼される。そりゃ、やります。
白水社から灘本唯人宇野亜喜良和田誠横尾忠則というすごいメンツの『四人四色 イラストレーター4人への30の質問』をいただきました。この4人展が銀座「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」で9月2日から開催され、18日には四人のトークもあるという。いずれも入場無料。すんげえ!