これからも働いて 遊びながら生きて行く

選挙が終って台風が近づいてきた。
ぼくは、貧乏本の最後の追い込み。九月中には出るのかしらん。お金が入ってくるのがありがたい。声がかかるうちに、もっと本を書かなきゃいけないです。貧乏文献、相当集めたので、まだもう一冊ぐらいは書けるかも。
リブロ名古屋の「二十歳のための読書案内」フェアのための小冊子、届きました。林さん始め、ナンダロウ、魚雷、扉野、善行、ぼくと「すむーす」メンバーが書いています。荒井良二市川慎子梅佳代高山なおみ豊崎由美なんて方々も。無料ですので、できるだけリブロ名古屋へ足を運んで、フェアの本を眺める、買うとともに、もらってきてください。ぼくは、最後に詩のようなものを書いているのだが、終りから四行目「とくに遠くへ突き放す」は「ときに遠くへ突き放す」の間違いです。急いで書いたので、ぼくが間違えたのかもしれない。
辻山さんからの依頼では、「岡崎さんには、イメージとしては、山口瞳の成人式の日のサントリー広告のような感じのものを」ということであった。多少、そのことは意識しました。
「あった、あった。」は中学英語教科書「ジャック&ベティ」を、「赤旗」第五回目は、ブックオフに並ぶ絶版文庫について。
週刊現代」編集部から、ていねいな書評依頼があった。監修した太宰本も9月中には出るのかな。秋へ向けて、ちょっと馬力を上げて行きます。
みちくさ市」にも出ますよ。部数僅少の詩集『風来坊』も販売します。
大阪の村岡さんからハガキ。金子彰子さんの詩を評した井坂洋子さんのエッセイをコピーして送ったら、村岡さんも詩をすごく気に入って、さっそく大学の授業でコピーして使うと書いてあった。「二月十四日」が少しでもたくさんの人の目に触れられるとうれしい。


時々はデパートで 孤独な人のふりをして
満ち足りた人々の 思い上がりを眺めてる
昼下がりは 美術館で考えたり
(中略)
これからも働いて 遊びながらも生きて行く
様々な気がかりが 途切れもなくついてくる
振り向いたら 嫌われたり愛されたり

井上陽水「長い坂のフレーム」)

風呂上がり、ひと息ついて、BSで「オリオン座からの招待状」を見るが、ああ、これはダメだ。テレビに押されて錆びれていく映画館が舞台だが、その錆びれた映画館というモチーフにもたれすぎて、ドラマ部分が弱すぎる。宮沢りえは本当にきれいで、それだけでもいい、と言えばいいが。コドモを二人出して、いかにもの話も付け足して、それが成長して、とお約束、お約束。