どうか わたくしも

okatake2009-08-20

午前中、ブックジャパン書評、横澤彪『テレビの笑いを変えた男』扶桑社を書いて送付。午後、貧乏本の原稿送付。いよいよ佳境。カットとカバーを、うれしい人が引き受けてくれた。たのしみ。
文藝春秋から落語のムックが出るそうで、アンケートの依頼が来た。「今、聴きにいきたい現役の落語家は誰?」というもの。当然、まずあの人だろう、そしてあの人か。ふむふむ。まあ、楽しみながらやらせてもらおう。
今日はクーラーかけて、ジャズを聞きながら、鮎川信夫『詩集 宿恋行』を読んでいた。これ、いい詩集なんだ。おそろしく大判な詩集だが。
「まず男だ/これは間違いない」で始まる「Who I Am」は、当時詩檀で話題になった。「世上がたりに打明ければ/一緒に寝た女の数は/記憶にあるものだけでも百六十人」なんて、詩行があるからだ。わりあいわかりやすい詩を一編引く。タイトルは「秋の祈り」。

石棺のうえに
そっと自分をおいていった
枯葉よ


そよとも吹かぬ風のなかで
おまえは そのまま詩だ


秋は深くなりました
星と星のあいだには
もう栄光の差なんてありません


どうか わたくしも
この枯葉のようでありますように