持たないことの自由と「ぐるり」

okatake2009-08-04

以前何度か仕事をした「赤旗」の文化欄から依頼があって、古本のコラム(イラストも)を6回書くことになって、イラスト原稿を渡しがてら、国立駅前で、担当のFさんと会う。Fさんも国立在住なのだ。Fさん、国立在住が似合う清楚で上品な女性。国立の並木が一番きれい、離れられないという。ただし、住民税がバカ高く、松戸に住む同僚の給料明細を見てがくぜんtとしたという。これから書評もどんどんお願いします、と言われ、こちらこそと頭を下げる。いま書いているのが貧乏の本で、と説明をし、要するに「持たないことの自由」みたいなことがテーマだという。
Fさんと別れ、国立「ブ」を覗く。文庫売り場で、沢木耕太郎『バーボン・ストリート』があって、持っているのだが、すぐには出て来ない。ここに山王書房のことを書いた「ぼくも散歩と古本がすき」が収録されているのだ、と思いパラパラやっていると「ポケットはからっぽ」という文章で、「物を持たなければ持たないほど自由が増していく」という文章が飛び込んできた。こういうことがあるんだ、と驚く。買っておくことにする。ほか、相倉久人『日本ロック学入門』、星野道夫ノーザンライツ』と、ともに新潮文庫
中央線情報誌「ぐるり」8月号が届いていたのに紹介が遅れた。特集は松倉如子・渡辺勝。聞き手はもちろん南陀楼綾繁。それぞれソロアルバムを出した二人に、よき理解者のナンダロウくんがあれこれ聞いている。松倉さんについては、知らないことばかりなので、ハフハフ読みました。コクテイルのライブでも投げ銭で、どうやって利益を出しているのかと思ったら、「いままで地方へ行っても赤字になったことがない」という。「だって、鈍行で行くから」と勝さん。なんと、八月の北海道も九州も「青春18きっぷ」で「行くねん」と如子さん。すごい!
この二人も「持たないことの自由」を選びとった人たちだ。
それから、三鷹でライブや朗読会を開いていたユニークで貴重なブックカフェ「文鳥舎」がこの七月末で閉めた、と通知が。大森さんとは「早稲田文学」時代に、荒川さんの紹介で、何本か評論を書かせてもらったときの担当編集者としてのつきあいから。文鳥舎でも数年前、カルチャーセンターみたいなことをするので、講師をと依頼され、いったんは引き受けたが、あまりぼくの回には生徒が集まらず、なんだかあんまり協力できないまま、今日にいたった。充電期間を置いて、またお目にかかります、ということだから、また別の場所で再開するかもしれない。