すずしけりゃいいか

okatake2009-08-02

林哲夫さんのブログから告知です。

スムース・納涼ランチ会 受付終了しました
下鴨納涼古本まつり初日、8月11日(火曜日)スムース・ランチ会を開催します。定員に達しましたので受付は終了しましたが、どうしても参加したい方は勝手に来てください。他に席があれば座れます。

日時 8月11日午後1時〜
集合 グリル生研会館
会場 グリル生研会館
   京都市左京区下鴨森本町15 生産開発化学研究所ビル1F
   TEL.075-721-2933

   地図
   http://gourmet.yahoo.co.jp/0005148914/P011137/




なんだ、また雨がしょぼしょぼ降っている。でもすずしくていいや。
昨日は午後、京王の古本市を覗いて、南青山「日月堂」隣りの部屋で開催中、最終日の海ねこさんショップ、イメージフォーラムで「美代子阿佐ケ谷気分」を見て、帰り「コクテイル」というスケジュール。
京王では、どういうか、ぼくのふだん探しているような本は、五反田や高円寺、神田の古書展を見慣れた目には高く見えてしまう。いや、それなりの値段がついているということで、レジには列を作っているぐらいだから、よく売れているということだ。まず1993年東京都写真美術館のカタログ「モダン東京狂詩曲展」が目に入って、よしこれ一冊でもいいやと2000円。モノクロ写真の昭和初期の東京は、なぜこんなに美しく見えるのだろう。ほか、小泉誠『と/to』はデザインに関する本で、表紙が見えていて、「あ、ハルミンさんだ」と思い、なかを開くとハルミン炸裂の本だったので買う。300円。西川治『ズッケロとカピートに仔猫が生まれた』は写真集で、315円。ネコ本にはいい、悪いの差があるが、これはいいほう。わりあい、淡白に見ていったのに、気づいたら1時間半もたっていた。
急いで、丸ノ内線と銀座線を乗り継ぎ、表参道へ。丸ノ内線で、四ッ谷に来ると、ぱっと明るくなって外の景色が見える。この感じ、何度見ても、体験しても飽きない。
表参道から日月堂の入るアパートへ。途中、プラダだのイッセー・ミヤケだの、恐ろしげなブランド店が並ぶ異様な通り。ぼくなど、表を通るだけで警備員に笛を吹かれて排除されるのではないか。店を一歩入ったら、床に穴があいて、そのまま下水へ流されてしまうのでは、と心配する。
ぼくは日月堂のアパートは正面からではなく、駐車場のある裏口から入る。すぐに階段。電話をしている日月堂さんに目で挨拶、海ねこ夫妻が店番するショップを見る。内外の珍しい絵本に、雑貨、それにモンゴさんの棚にはジャズほかのCD。最終日だったが、たくさんお客さんが来ていた。ぼくはペコちゃんの鉛筆削りに、ブルーナのメモ帳、ジョー・パスとニール・ペデルセンのデュオによるライブCDを買う。錆の入った鉄製の翠の絵本陳列の回転台がいい感じ。「でも、五反田の市でこれを買ったとき、まわりからみんなに『えーーっ、こんなの買うの』って言われたんですよ」と海ねこさん。
日月堂の佐藤さんとは、ぼくが紹介した、さるお屋敷の買い取りの話を聞く。いかにそこで出たものがすごかったか、お屋敷自体がすごかったか。佐藤さんの興奮ぶりでわかる。日月度では、大正期の映画館の正方形のいかしたパンフが300円パー(500円、1500円も少し)で出ていて、欲しかったのだが、なんとなく買わずに帰ってきてしまった。
このあと、歩いて15分ぐらいの「イメージフォーラム」へ。ぼくは、じつは、初めて来たのだ。試写室のような狭いスペースに、席の色が二種類。ひょっとして、予約した人とそうでないのを分けているのか、よくわからん。そういえば、チケットを渡すとき、「ほにゃららですか」と聞かれたが、鼻の先で喋っているので(若い女性)、ひとことも聞き取れない。適当に「ハイ」と答えておいたが、心配になってきた。行き慣れた人には、おなじみのシステムなら、コトバのうちの二、三音を認識すればそれでわかるが、初めての人で、何か独自のシステムがあったらもうお手上げだ。ファミレスの店員みたいに喋る必要はないが、もう少しちゃんと喋ってね。そういうこと含めて、なんとなく「イメージ・フォーラム」という小屋を敬遠してきた。お勉強、という感じがして。
「美代子阿佐ケ谷気分」は、監督も主要な出演者も佐野史郎林静一以外、誰も知らなかったが、ぼくはよく「気分」が出ているなあ、と思って楽しんでみた。美代子役の町田マリーが、ちょっと70年代の顔で、しかも裸になっているとき、スナックで歌っているとき、コロッケを買うときなど顔がぜんぶ違う。給水塔のある団地、阿佐ケ谷の裏路地の飲み屋街(看板に「カラーテレビあります」が泣かせる)など、「ガロ」な感じの風景もなかなかいい。ところで、チケットを送ってくれた国立在住の十松くんがエキストラで出ているはずだが、どこに出てたんだろう、と思いながら、映画が終って外へ出たら、次回待ちの客のなかにその十松くんがいた。びっくり、だよ。
コクテイル」では、「こけしちゃん」と密かに呼んでいるIさんがいて、あれこれ喋る。実家が福岡で、しかもうちの姉の住む家の最寄り駅の一つ隣りとわかって、これもびっくり。ビール2本で、いやに寄って、夜風が涼しいのは助かった。