とにかく楽しかったが疲れましたのと告知

憶い出したこといくつか。
1 これも彷書月刊に書くつもりだが、米澤に1時間だけ下車して、羽陽書房滞在15分で駅に戻り、するりと「大人の休日」きっぷでホームへ入り、電車を待っていると、改札から見覚えの有る顔が、「せ、専務!」と思わず駆け寄り「岡崎です!」。上京してすぐにもぐりこんだ編集部の上司だった。「おお、なにしてんだ、こんなところで」と言われたが、たしかに偶然に会うには、かなり確率の低いシチュエーションだ。16、7年ぶりぐらいの再会ではないか。しばらく興奮が冷めなかった。

2 仙台で深夜12時まで開いている新刊書店、ふたば、だったかを発見。駅前から延びる目抜き通りですよ。しかも、なかなかいい品揃え。閉店まぎわに入ったが、けっこうお客さんがいた。仙台はすごい。


昨日、西荻からタクシーで帰宅。いやに空が明るいなあ、と思ったら4時だった。26日から始まった旅が、西荻ブックマーク「『昔日の客』を読む」のホスト役でようやく終えた。
今回、「大人の休日」の特別企画きっぷ、JR東日本管内、東京から金沢、函館まで、新幹線を含むすべての電車に乗り放題(6回までは指定も取れる)を使った。これが夢のようなきっぷで、とにかく自動改札の差し入れ口にさしこめば、そのまま来た電車に自由に乗れるのだ。
初日、新潟、米澤、福島と途中下車して、古本屋だけチェックして巡り、夜に仙台入り。ホテルで荷をとき、ナンダロウくん司会の塩山芳明VSいがらしみきおトーク会場へ。明日の「一箱古本市」に参加する、東京からの見知った顔が散見。塩山さんが、自ら撮影した日常の映像がおもしろい。ときどき画面が横になったり、路上をふらつきながらカメラが滑ったり、なんだかゴダールみたい。
その夜、広島から乗り込んだ財津くん、ちょうちょぼっこの福島さんたちと打ち上げ会場へ。ホルモン、牛タンが、ちょっと食ったことのないような旨さ。秋の広島での一箱古本市、財津くんによれば、なかなか悩ましい問題があるという。仙台でも、警察の許可を取るのに悪戦苦闘したそうで、ぼくらはただ箱でホンを売るだけだが、裏方のスタッフたちの苦労は、うかがいしれないものがある。でも熱意がけっきょく、厚い壁を突き通す。財津くん、がんばれ!
ホテルは連泊で、「火星の庭」からいちばん近い某ホテルをとったのだが、これが失敗で、中心地からは離れていて、連日、行くも帰るも大変だ。アメニティーも歯ブラシ一本だけ。タクシーに乗るぐらいなら、少し高くても中心地のもう少しいいホテルを取るんだった。
翌日、また中心地まで歩き、仙台「一箱古本市」会場へ。アーケードのある、広い通りで、その両側に50店が並ぶ。ぼくは一番端から二番目。いちばん端の「ぽるた」さんは若い女の子で、いまは飲食で働いているが、しょうらい古本屋になりたいという。この店に、みんな吸い寄せられるように客が集まり、ぼくはそのおこぼれをもらう格好。それでも、遠くからわざわざ訪ねてくださった読者もいて、ありがたかった。岡崎武志堂の売り上げは1万7000円ちょっと。対岸の塩山さんが2万以上売り、「岡崎さんに勝った」とうれしそうだった。塩山さんに喜んでもらえるなら、ぼくはいつでも負けます。岡崎武志賞は隣りの「ぽるた」さんに。打ち上げ会場で、「ぼくが選んだ人はみんな古本屋になっている」と激励する。
夜遅くまで、焼き鳥屋の二階で、ぎゅうぎゅう詰めで飲んで、最後、さくらんぼう佐藤錦一箱が店から差し入れされ、その旨さ、ばくばく食える豪快さにみんなうっとり。ここでもたくさんの人とコトバを交わす。
最終日、新幹線の時間を計算して、塩竈まで足を伸ばす。行きは仙石線東塩釜で降り、東北本線塩竈」まで歩き、駅前にある公共施設内に設置された「長井勝一記念館」を見る。「ガロ」編集長・長井さんは塩竈の出身。このあたりのこと、「彷書月刊」にたっぷり書きます。
東京へ戻ってきたのが1時過ぎ。高円寺へ移動して、好書会をさらりと覗き、西荻へ。このあたりから激しい雨。音羽館が倉庫がわりに借りているマンションの一室にこもり、「『昔日の客』を読む」トーク進行のためのメモを取る。一夜漬けの勉強みたい。途中から横になって『昔日の客』を読む。「『昔日の客』を読む」なんてトークの進行をあずかりながら、じつはまだ読んでなかったのだ。
山王書房」の息子さん、関口直人さんの思い出語りにからみながら、いくつか読んだばかりの『昔日の客』から朗読し、後半、この企画に重要な役を果たしたカーネーションの直枝さんが加わり、会場にいる天誠書林・和久田さん、石神井書林・内堀さん、魚雷くん、萩原先生などに話を聞いていく。最後、関口さんがギターで父親の詩に曲をつけた歌を披露し、うまく7時半に着地する。打ち上げ会場から二次会へ。ここでもう終電がなくなり、広瀬くん、関口さん始め有志でカラオケへ行って3時まで。
なんだか、もうむちゃくちゃな三日間で、しかしそれは楽しかった。
と、いちおうご報告しておく。
火星の庭」前野さん始め、仙台の方々、またお目にかかります。
以下、目の前に迫ったイベントの告知。ぼくも行きます。週末は立川オリオン書房で、やはりハルミンさん、越川さんに、ぼくを加えてトークをします。
こっちは古本色が強くなるかな。

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洋泉社刊『私は猫ストーカー』映画化記念
浅生ハルミンさん×鈴木卓爾さん×越川道夫さんトークセッション
「映画と猫と古本と」

原作者×監督×プロデューサーと語る、本の『私は猫ストーカー』と映画の『私は猫ストーカー』。
(当日、会場にてメイキング映像上映あり)

【日時】
 2009年7月1日(水) 開場:18:00〜 開始:18:30〜


【会場】
 三省堂書店神保町本店 8階特設会場

 ※8階特設会場へは、正面入口(靖国通り)側エレベーターをご利用ください。

参加ご希望のお客様先着50名様に整理券を配布しております。尚、当日参加費として500円いただきます。トークセッション終了後サイン会を行います。※要予約

【お問い合わせ】
 三省堂書店神保町本店 4階 03-3233-3312(代) 10:00〜20:00

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【上記イベント開催に合わせ、神保町本店4階レジ前フェア台にて、「猫ストーカー」フェアを開催中!】

浅生ハルミンさんが選ぶ「猫ストーカーになれる」30冊
・映画『私は猫ストーカー』がわかる20冊
・「古書猫額洞」神保町本店出張販売!
浅生ハルミンさんの「猫」イラストミニ展示会
・映画『私は猫ストーカー』名場面展示

みなさまのご来場をこころよりお待ちもうしあげております。

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