これから仕事

okatake2009-06-23

午後一時、神楽坂「新潮社」で、湯川豊さんインタビュー。数日、須賀敦子を拾い読む。同社の応接室で『須賀敦子を読む』(新潮社)について聞く。これは「サンデー毎日」に掲載。湯川さん、「岡崎さんは、どう思いますか?」と、途中返してこられて、あわてることあり。篤実で優秀な編集者(文藝春秋)だった片鱗が、そこかしこに匂う。かつては文芸書が売れた、というのはウソですよ、とも言われる。うーむ。
須賀敦子と同じ昭和4年生まれに向田邦子がいる。明治生まれのガンコな父がいて、安定した家庭に育ち、本好きの長女で、作家としての活動期間が短い。亡くなってなお人気が衰えない、という点で二人に共通点があるような気がする。湯川さんにもそう言うと、「ほう、なるほどねえ」。
新潮社へ向かう途中、日差しが強く、湿気がまとわりつく。こりゃ暑い。
昼食を食いそびれ、取材が終ってから東西線高田馬場」下車。「王将」で餃子と焼きそば。ときどき、むしょうに「王将」の餃子が食いたくなるのは関西人の証拠。このあと「ブ」を覗き、「マイルストーン」で一時間ほどジャズを聞く。半時間ほど寝てしまった。ほんとうはこのあと、早稲田古本街を流しながら、地下鉄「早稲田」から帰ろうと思ったが、外へ出たら、焼けただれた空気に襲われ、予定を却下。帰宅の途へ。
紀伊国屋書店から「すくりぷた」、扶桑書房目録、毎日から辻原登許されざる者(上下)』などを戴きました。カバーは宇野亜喜良辻原登は、現役作家のなかで、ぼくがもっとも信頼している作家の一人。
夜、塾に行っている娘から電話。さいきん、娘の学校であれこれやっかいごとあり。元気そうに通っているので、そんなに心配はしないが、でも少し心配、かな。事務的なことを伝えてくる娘に「元気でな、がんばりや、お手紙ちょうだいね」としつこくかぶせると、電話の向こうで、途中から「ククク」と鳩みたいに笑っている。
ビールを空けながら、スーパーで買ってきた寿司、おつまみなどを食べていると眠くなる。4時間近く眠る。起きて、「世界ふれあい街歩き」のベストセレクション「ダブリン」を見る。いちにちのうち、何度も気候が変わり、とつぜん雨が降るのがダブリン。荷馬車で市場と露店とを往復する男あり。そんな人生もあるのだ。われわれもまた、荷馬車をひいて、あちらとこちらを往復するようなものなり。生きてさえいれば、晴れることもある。
本当にもうしわけないが、「あしび文庫」さんの日記にまた笑う。http://d.hatena.ne.jp/ashibibunko/
これから仕事をします。