「空にパラフィン」を激賞

okatake2009-06-14

風が少し涼しい日曜日。昨日行けなかった高円寺「均一祭」2日目。今日は100円だ。ぼくの出番だ。
11時ごろ会場に着いたが、けっこう人がいる。あちこちに「ALL100円」と張り紙があるのに、帳場で精算するときに初めて「え、これ100円?」と聞く客の多いこと。ところどころ、棚にも張る必要があるんじゃないか。帳場にいるコクテイル、パラディ、オヨヨ各氏へ、「昨日が200円、今日が100円、明日は50円?」と声をかけると、疲労困憊しているふうの狩野くんが力なく笑う。
ぼくはちょうど10冊買う。1960年の「花椿」なんて、ちょっといいでしょ。100円なら。マンガ『轟先生』は、いまでは珍しい横長の判型。昭和30年「こども家の光」、昭和47年「高一コース」フロク「日本青春文学名作集」など薄い本を。その他、講談社ロマンブックス三島由紀夫『永すぎた春』、神吉晴夫『現場に不満の火を燃やせ』、佐野洋子『シズコさん』、阿川弘之『南蛮阿房2列車』、吉行・篠山『ヴェニス 光と影』を買う。
館内で工作舎石原くんとばったり。駅前の中華で昼食、駅構内のコーヒーショップでお茶。7月5日オープンの善行堂の話。そして、ブログ「空にパラフィン」の文章がいいなあ、という話。工作舎の新人女性編集者が、それまで古本には興味がなかったのに、石原くんのお供でみちくさ市などに顔を出しているうちに古本菌がついた。神田の古書展へも出入りするようになったらしい。しかし、あまりな乙女に、まわりのおじさんたちから「チッ(おまえなんかの来るところじゃない)」という仕打ちを受けているとのこと。その彼女が「空にパラフィン」を過去に遡って読み、深くカンゲキし、「なぜ、こんなに素晴らしい文章が、本にならないんですか」と石原くんに直訴したらしい。うーむ、もっともだが、いきなりそうはいかんのよ。
http://mayukoism.exblog.jp/

窮地を脱した「海ねこ」さんが目録原稿を脱稿。いよいよ、紙の目録を発行する。このところ、気鋭のネットの古本屋さんが、どんどんユニークな自家目録を出している。やっぱり、みんな、紙が好きなんだなあ。「善行堂」も在庫目録というかたちで、目録が出るといいが。