受贈書やその他のこと

okatake2009-05-25

変な時間に起きて、二度寝
昨日の西荻ブックマークのこと。来場者に、広瀬くんが音羽館特製のCDを配った。クラシックからジャズ、CMソング、大貫妙子まで、広瀬くんのマイ・フェバリット・ソングが一枚に収まっている。これを聞きながら仕事。ほんと、音羽館にいるみたいだ。広瀬くんは店を始めるまでに、自力で1000万円貯めたという。あと、印象的だったのが、均一で、100円で売れるという本というのはそうはない。つまり100円でも売れない本が膨大にある、というのだ。これにはうなった。
昨日、BSで再放送、「少年マガジンVS少年サンデー」を見る。ドラマ部分がチャチだが、そのほかはたいそう面白かった。と、そのとき、中野晴行さんから『マンガ進化論』(ブルース・インターアクションズ)が届いた。いま、頭がまったくまわらなくて、うまく紹介できないのだが、衰退していくマンガ産業の現状と、しかしそれは紙媒体としての産業の衰退で、ほかのコンテンツ(映画化、ゲーム、パチンコ等々)を巻き込んで、優良な産業たりえる、というような話だと理解した。まちがっていたら、ごめんなさい、中野さん。
高橋輝次さんからは、『古書往来』(みずのわ出版)をいただいた。装幀は林哲夫さん。あ、林さんの仕事と古本人生をドキュメントした番組で、林さんが描いていた絵がこれか。四六判よりひとまわり大きい、これは菊判かしら。ぽってり、ゆったりとして手に持つといい感じだ。マイナーな出版社、書き手、詩人たちを古本漁りから掘り起こしていく高橋さんならではの仕事だ。今回、カッコ内にくくった独白が、ほとんど「ボヤキ」で、これがいい味を出している。北のノムラ監督、西の高橋さんが「ぼやき」大王。これは創元社のウェブサイトに連載された同タイトルの原稿をまとめたものだが、原稿をアップしたあとに発見されたことが「追記」「また追記」でふくらんでいく。本の森に分け入って、てこずる獲物をけっしてあきらめず、どこまでも追いかけていくその姿がドキュメントされている。
ちなみに、中野さんも高橋さんも元銀行マンである。粘り強い緻密な逍遥という点で共通している。
中公新書2000点刊行記念で、180名近い「思い出の中公新書アンケート」を含む、無料の記念本『中公新書の森』が出た。いま、各書店に配備中。ぼくはアンケートに答えたので、いずれ記念品つきで送られてくるが、待てなくて、夕食後、散歩がてら国立駅前まで歩き、「増田書店」でもらってきた。全2000点リストもついて、これは壮観。ぜひ、なくならないうちに、みなさん、書店でもらってください。
ぼくの選んだ中公新書ベスト3は、長田弘『私の二十世紀書店』、海野弘『世紀末の街角』、小野耕世ドナルド・ダックの世界像』。この三冊は、あまり考えず、パッと浮かんだ三冊をそのまま挙げた。考えると、あ、あれも、いやこれも、となるから。自分としてはいい選択だったと思う。
ほかの書き手を見渡すと、ほとんど大学の先生か著名な研究者や評論家。チンピラの無印ライターはぼく一人ぐらいじゃないか。しかし、このアンケートの名前を残せたのはうれしい。敬愛する海野弘さん、川本三郎さんと同じ空間に名前が並ぶんだもの。言うことないや。文学・歴史好きの父親も、草葉の陰で喜んでいるだろう。
アンケートにも書いたけど、ほかの新書がこぞって出す「ジャズ」本に、まったく手を出さないのが中公新書らしさじゃないだろうか。出れば、ついつい買ってしまうが、こんなにたくさんいるかいな、と思うところもあるからな。
あ、そうそう「考える人」に、石田五郎『天文台日記』について書いた。これは中公文庫だから、中公づいてしまった。