海炭市叙景、映画化、動き出す

14日、教育誌2本コラムを書く。一本は「アンジェラの灰」のラスト、自由の女神像が映るところから、映画の中の自由の女神像について。一本は名セリフで、ガンジーの「よいものはカタツムリのようにすすむのです」。前者は60回、後者は50回を超えた。自由気ままに、書きたいことを書かせてもらっていてありがたい連載だと思っている。
夕方外出。おや、ちょっと風が冷たいぞ、と思い、家にひきかえし、薄手のカーディガンをはおる。これがよかった。夕方から風が強く吹き、どんどん気温が下がっていく。長袖のTシャツ一枚だと、我慢がならない寒さだった。吉祥寺、荻窪経由で西荻へ。「ささま」均一で、日本ペンクラブ編『映画が好きな君は素敵だ』集英社文庫、『マンガ批評大系 2』平凡社、『現代の詩人2 鮎川信夫中央公論社黒澤明宮崎駿『何が映画か』徳間書店を買う。均一追加するノムラくんに「えらい、寒いがな」と言うと、「そうですか、うふふ、ぼくはこれぐらいがちょうどいいです」。どんな奴や。
今夜は、音羽館集合で、「海炭市叙景」映画化に際して、東京応援団を結成するため、プロデューサーの越川さんと顔合わせ。広瀬くん、クレインの文さん、晶文社の宮里くん、佐藤泰志研究家で佐藤泰志似の川口くんとぼくが参加。「海炭市叙景」、まだシナリオ第一稿ができないうちに、函館の風景のロケが始まったそうだ。原作では炭鉱の閉鎖、というのを造船ドックに変えて、ただ、その風景がこの5月いっぱいで変貌するというので、先乗りロケが始まった。とにかく動き出した。兄妹の話をメインに、いくつかエピソードがからんでいく。その兄妹役に、あっと驚く俳優が候補に上がっている。とにかく予算が、普通にいけば、低予算の映画でもギリギリのライン。そこを何とか、工夫して、あと倍くらい金を集めてくるのがプロデューサーの手腕。この日、参加できなかったが、北條くんがいたら、もっと越川さんの話にバシバシと反応できただろう、映画界の裏話がつづく。映画はもう宣伝で入る時代じゃない。かつては、「オリーブ」で紹介されると、大きな影響力があったという。いまはそんな雑誌はない。などなど。
とにかく、何らかのかたちで、東京でも盛り上げようと結束する。
あ、ちなみに、越川さんの事務所がスローラーナー。会う前まで、ピンチョンの「スロー・ラーナー」の訳者が越川芳明だから、ひょっとして、子供、弟?と思って聞いたら、関係ないそうだ。よく、そう間違われますけど、とのこと。