追悼・三木たかし

okatake2009-05-13

ちょっと、日記、空いちゃったか。
三木たかしが亡くなりました。考えたら、今年に入って、伊藤咲子「乙女のワルツ」に狂ったようにハマり、たぶん、「乙女のワルツ」を伊藤咲子の次ぐらいに、たくさん歌ったが(自慢にならぬ)、これは三木たかしの作品だった。
締め切りのある原稿以外は、もうなんにもやる気がなくて、ダラダラと生きていた。喉も完全復調とはいかず、歳なのだ。
CSで、山下敦弘「天然コケコッコー」を見て感心し、豊田四郎「庄造と猫とふたりのをんな」を見て感服し。急に両原作を読みたくなったが、どちらもない。
「庄造」は主演の森繁が圧巻だが、脇がみんないい。浪花千栄子山田五十鈴香川京子の女性陣が熱演で、ピンポン玉のようにあちこち飛ばされる仲人役の木下はんが雁玉・十郎の雁玉。これが素晴らしかった。
先妻と後妻、それに主導権を握る母親のあいだで三すくみになり、猫に異常なまでの愛(猫っかわいがり)を注ぐ男が庄造。二人の妻が、その猫に、いわば嫉妬する。留守中、後妻の香川が勝手に愛猫のリリーを、木下はんに依頼し、後妻の山田のところへ届けてもらう。それを知った庄造があわてて木下のあとを追いかけ、自転車の荷台のカゴからリリーを出して、頬ずりして悲しむ。それを見て、木下が「ああ、えらい愁嘆場や」と嘆くシーンで、思わず水割りを噴き出してしまった。それぐらいおかしかったのだ。しばらく鼻にウイスキーが入ったまま、むせて、苦しんだ。こうして死ぬこともあるかしらん。
「庄造」は伊藤熹朔の美術もすばらしかった。それにタイトル文字は、クレジットを見逃したが、佐野繁次郎ならん。
工作舎から四方田犬彦の新刊『歳月の鉛』が届く。『ハイスクール1968』の続編にあたる、著者の東大時代の回想記だ。
QBBの『新・中学生日記 8』を読んでいたら、こんな一コマが。この、本を読んでるオトコ、ボクだよねえ。
林哲夫さんのブログ「デイリー・スムース」を読んでいたら、姫路の古本屋「小さな町TREE HOUSE」が紹介されている。これは知らなかった。木造二階建ての、なんだかいい感じだぞ。善行堂も、わざと古っぽい感じを残して、もうずっと前から営業しているみたいな店になるといい。姫路は一度降りたことがあるが、古本屋は未踏。よし、これは次のターゲットに。

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一昨日だったか、夜、サンケイの生田さんから電話があり、京都へ月に一度は行っているが、こんど、その京都で古本と紙ものの勉強会みたいなものを定期的に開きたいという。スムースのリアル版という感じか。もちろん賛成。善行堂もできるし、京都にもっとひんぱんに出かけることになるかもしれない。それにはもっと仕事をしないと。