長編をガツガツと

okatake2009-05-09

金曜日も雨。原稿を一本書いて、「サンデー毎日」へ。担当のIさんから、佐藤嘉尚『人を惚れさせる男―吉行淳之介伝―』|新潮社の書評を頼まれるが、いやこれは魚雷君だ、と魚雷君を推薦する。すぐ、Iさんが魚雷君に電話。「なんだか寝起きみたいだったけど、吉行淳之介、と言ったら目が覚めたみたい」と言う。Iさんは「サンデー」書評欄を一人で切り盛りしているので、こうして、あれこれお手伝いしている。
著者インタビューは、山崎ナオコーラ『男と点と線』でいこうと決める。これも新潮社だ。『太田和彦の今夜は家呑み』新潮社、大谷能生『不良たちの文学と音楽 持ってゆく歌、置いてゆく歌』(アクセス・パブリッシング)をもらってくる。後者についてはどんな著者か知らなかったが、目次を見ると「深沢七郎、『楢山』と日劇ミュージックホール」、「ボリス・ヴィアン、『日々の泡』とデューク・エリントン楽団」、「ゴーシェは誰からセロを習ったのか? 宮沢賢治の文学と音楽」など、文学と音楽をクロスさせて読む試みがおもしろい。
帰り、西荻下車。「音羽館」均一ゴソゴソと買い、店内で鈴木貞美『モダン都市の表現』白地社800円を買う。広瀬夫人がちょうど、生まれてまもない広瀬ジュニアを抱いて店内へ。二カ月だという。パフパブ言っている。「なあ、まだ古本と新刊の見分けもつかないんやなあ」と、わけのわからないことを話しかける。
興居島屋で石丸くんと長話。このところ、買い取りが多いという。おもしろい話をあれこれ聞く。
声は少し出るようになるが、咳がときどきとまらなくなり、息がとまりそうになる。電車のなかで困る。
東西線車中で、詩人の清水哲男さんを見かける。お疲れのようで、声をかけるのを遠慮する。西荻の路上では、穂村弘さんを目撃。
帰宅して、「音羽館」で買ったジェフリー・ディーヴァー『石の猿(上下)』文春文庫を一挙に読む。『アンジェラの祈り』に次ぎ、長編を短時間で読む。いい傾向だ。