自宅と都心3往復の日 古本屋ツアーの正体が!

okatake2009-04-24

松倉如子さん「星」を聞きながら昨日のことを。
朝、TBS。『ヤンキー進化論』を紹介。森本さんに意外にウケてたな。ほっとする。このあと、神保町で11時に打ち合わせがあり、神保町へ移動し待機するつもりだったが、財布を忘れて家を出たことに気づき、いったん家に戻る。財布をもってすぐにまた中央線で御茶ノ水。タテキン前に行くと、例によって人が群がっていて、塩山さんの姿を発見。「見つかっちゃった」と悪いことをしているようにはにかむ塩山さん。文庫を一抱え買っている。見ると、本当にいいところを選んでいる。さすがだ。「今日は向こうもいいですよ」と、100円でない均一台を指差す。見ると、講談社文芸文庫などが大量に。けっきょく、100円とあわせ、10冊買う。宇佐美承『池袋モンパルナス』集英社文庫なんて、もうあんまり見ない文庫。
このあと、ぶらじるでナンダロウくんと、A社のKさんと今年秋発行予定の本の打ち合わせ。スムースのメンバーが中心となった古本に関するおもしろい本。ご期待ください!
原稿の締め切りがあったので、また国立まで戻り、家でパソコンに向かう。睡魔が防護服のように身体を包み、ばたりとベッドに。
夕食後、また少し原稿を書いて、また外出。今夜、蟲文庫さんが上京するので「コクテイル」で待ち合わせ。途中「音羽館」で均一2冊、読みたかったノーマ・フィールド『小林多喜二岩波新書400円を。来月、5月24日、音羽館の広瀬くんが「西荻ブックマーク」の主役となって喋る。タイトルは「気弱な古本屋入門」。いま日本有数の集客力のある古本屋の裏側がわかる。すでに予約が10人入っているそうで、満席必至。
小林多喜二』を読みながら高円寺。蟲文庫さんを囲み、ぶらじる竹内くん、魚雷くん、前回プレ「みちくさ市」で少しお話しした日本映画専門チャンネルに勤めるTさん、それに白シャツ王子くんが加わって、わいわいと話す。Tさんは同志社卒の古本好きの女性で、「臨川書店」古書部に勤めていた。すごいねえ、と声が。それを「すごい」と言える我々もすごいが。
この夜は、蟲文庫田中さんを筆頭に、Tさんが岡山出身、竹内くんも実家が岡山(ぼくも両親が岡山)と、岡山ゆかりの人が多く、テーマは「岡山」。竹内くんのおじいさんが洋画家で、デパート「天満屋」の包装紙、岡山国体のポスターもデザインした、と聞き、一同感服。
田中さんからできあがったばかりの『瀬戸内作文連盟』7号をもらう。
12時になって、ぼくだけひと足お先に帰宅。
自宅と都心を三往復した一日だった。

24日今日はぎりぎりまで月二回の気の張る原稿をなんとか押し込んで、外出。「書窓展」へ11時半ごろ到着するが、とにかく「あきつ」前に鉄壁の人の壁が出来、まったくつけいる隙がない。克書房は、全集の端本を200円から500円で大放出。内田百けん阿部昭横光利一も。ううん、しかし、一冊買うというわけにいかず、何冊か買うと大変な重さに。けっきょくいつもあきらめることに。古書会館前に部屋を借りたら、このあたりいっさいがっさいかっさらって、収納するのだが。
「あきつ」前は、戦利品を塔のごとく積み上げ、がんとして動かず、端から絨毯爆撃のように、選書している者が何人か。既得権益のごとく、場所をふさいで、周囲を顧みない。なんという下品な奴らか。また、横からぐいぐい押してくるやつ。ぼくはそのうち、「あきつ」の前でキレて、真っ裸になって「裸になって何が悪い!」と叫び出すだろう。なんて言いながら、一部切り取りありの「新青年」700円、昭和10年の交通安全を訴えた小冊子『正しい安全な歩き方』900円、少年倶楽部フロク『僕等の物しり宝典』(昭和13年)300円、それに永井龍男を二冊買う。タテキンで文庫4冊、単行本2冊。
サン毎終えて、また神保町へ。「ぶらじる」で戦利品、それに新刊、小林信彦『B型の品格』、世界文學全集『フライデーあるいは太平洋の冥界』、桂吉坊桂吉坊がきく 藝』、関川夏央新潮文庫 20世紀の100冊』などをパラパラ。昨晩、コクテイルで話したばかりの竹内くんから、神田ぶれんどのマメをもらう。さんきゅう。おかげでずっと、コーヒーの匂いに包まれていたよ。
明大通り「デ」で、エディ・ヒギンズ・トリオ『秘密の恋』、『ジ・アメイジングバド・パウエル 1』を買う。
夕方、聖橋上で教育関係のG出版の編集者Tさんと待ち合わせ。写真を撮られ、教師時代のことなど編集部でインタビューを受ける。この教育出版で、ぼくは3年半ほど、某雑誌を一冊まるごと編集を請け負っていた。そのころ、ぼくが編集したバックナンバーを見せられ、忘れていたことをあれこれ憶い出す。自分で四コマを描いたり、山本善行に書評を依頼したり、コラムページを設けたり、あちこちにイラストも描いて、ほとんど私物化していた。誌面を見て、ああこれはぼくの作品だ、と思う。
居酒屋へ移動し、編集長のHさんもまじえ、懐かしい話あれこれ。ぼくが担当した雑誌の編集にかかわる現役教師のグループがあったが、彼らの頭が硬く、やわらかい誌面を心掛けるぼくの雑誌づくりはお気にめさなかったようで、Hさんには抗議めいたものがあったらしいが、それをHさんはぼくの耳に入れず、自由にやらせてくれた。そういう度量を持った編集者が上司にいてよかった。
彷書月刊」最新号の注目は、なんといっても南陀楼綾繁くんの連載「ぼくの書サイ徘徊録」だ。あの、古本界を震撼させつづける「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の正体が明かされている。これはえらいことですよ。ぼくは皆川くんに、表紙にその旨を大書するか、帯をつけて、扇情的にアピールしなさいよ、と言っていたが、中を開かないとわからない。わかってびっくり! ええ、そうだったの。これじゃあ、誰も正体をあてられないよ。それぐらい、意外な結末だ。知りたければ、みな、取り扱い書店で求めよ。立ち読みはダメよ。