目白「上り屋敷」

okatake2009-04-13

これはもう夏でしょう。半袖姿の人をちらほら見る。
午前中、ねじのきれたぜんまい人形みたいに、猫がいつも寝ている場所の隣りで、さんさんと陽を浴びているとまたムズムズしてきて、昨日に続き再び小平中央図書館公民館古本バザーへ。ちょいと追加があり、赤瀬川原平『オブジェを持った無産者』、マルグリット・デュラスヒロシマ、私の恋人 かくも長き不在』なんて、いいところを拾う。
高円寺経由で目白「上り屋敷」での塩山・武藤トークへ。
高円寺「ちいさな古本博覧会」二日目は、さすがに客がまばらで見やすい。会場内へ入るのに靴を脱ぐが、そこに並んだ客の靴が、いつもの即売会よりいい靴、若者らしい靴が多い。いつもは、踏まれても関係ないというくたびれた靴ばかり。
二日目だが、けっこう見応えがある。均一で川西政明『一つの運命。原民喜論』、鮎川哲也短篇傑作集『五つの時計』、教養文庫『愛と苦悩の人生 太宰治の言葉』が100円。
買いのがしていた双葉十三郎『ぼくの特急二十世紀』文春新書300円、上林暁『ばあやん』が300円には驚いた。と、書いていると、中央線文芸研究家の萩原先生から電話。太宰本の文学散歩のページをお願いしたのだが、「上林暁の妹、徳弘睦子さんの聞き書きを始めていまして、まとまったら御送りします」と。古本を触っていると、よくこういう偶然が起こるなあ。
石原八束『駱駝の瘤にまたがって 三好達治伝』500円は、ちょっといま必要な本500円。
河出書房新社がかつて出した高級少女文芸誌と銘打たれた『アリスの国』が、500円で出ていて、これは!とガンをつけて買う。たとえば松本隆が文、大島弓子絵というコンビとか、江國香織など、文系女子心をくすぐる本。この夜、塩山・武藤トークの二次会で、わめぞ民の牛越ちゃんが誕生日とわかり、この『アリスの国』をプレゼントする。あとでちょっと調べたら、1800円、2000円くらいついている本だ。うまい具合に文系女子にプレゼントするのにぴったりな本を買っておいた自分をほめておく。
二次会会場では、栗原裕一郎さんと挨拶をかわす。初対面なり。水戸芸術会館発行の『日記』について、ブログにコメントを寄せたのが数日前。会ったら、髪型からファッションまで洗練された、かっこいい男前。むさくるしい人物が多いライター界では異色ではないか。HBの橋本くんや、下関から出てきた「正式の証明」くんとも少し話した。「正式の証明」くんは、僧侶っぽい感じの若者だった。
塩山・武藤トークは盛況で、たぶんいろんな人が報告するだろう。上り屋敷が昭和30年代テイストの古い木造家で、懐かしい風情あり。客としていらっしゃっていた飯沢耕太郎さんと一緒に一番後ろにあったソファに座りながら、ここはいろんなことに使えそうだと話す。
ちょっとくたびれました。これから仕事をします。