こいつは驚いた。くせになりそうな松倉如子さんの歌声。

okatake2009-04-11

昨日は昼間、神保町へ。彷書月刊編集部へ寄り、「特集」について、あんなのはどうだ、こんなのはどうだと勝手なことを言う。なにしろ、いま編集部には二人しかいなくて、しかも使える予算に限りがある。毎回、苦労の連続だろう。
2時にフォリオで、紀田順一郎先生を取材。さんづけ、で気軽に呼べない一人。本題のまえに、ついつい古本屋や神保町の話をあれこれ。帰り、御茶ノ水にできた「デ」を覗く。DVDコーナーで「吉田拓郎LIVE全部だきしめて」を見つけ、2300円+税ぐらいで買う。こんなの、出ていたんだ。
あちこちひっかりながら、高円寺へ。大石書店店頭均一にはりついていると、カメラマンの鈴木くんに声をかけられる。毎日、水泳をやっているという。「水着の可愛い子、いる?」と聞くと、ぶるぶる顔を横に振り、「おばさんばっかりです」という。
夜「コクテイル」へ。広島から上京している財津くんがコクテイルに来るというので、ここで落ち合う。ちょうどこの夜は渡辺勝、松倉如子中川五郎投げ銭ライブがあった。中川さんとひさしぶりに挨拶。ごにょごにょと不思議な声で喋っているのが松倉さんだ。この夜、松倉さんがよかった。しびれた。ナンダロウくんが「ぐるり」で何年か前に、松倉さんについて書いていたはずだが、ちゃんと聞くのはこの夜が始めて。基本的には渡辺勝さんのガットギターをバックに、オリジナルと渡辺さんの歌をうたうのだが、すばらしい歌声で、ほれぼれと引き込まれる。これまで聞いたことがないような声と歌唱法。なんといっていいのか、表現に困るが、自分が歌をうたえることを知らないで、自然に声を出したらそれが歌になった、というような初源的な歌い方で、目と口をまんまるにして、伸び上がるようにして声を出す仕草が愛らしい。歌を聞いたことがない縄文人が、もしそこにいて、松倉さんの歌を聞いたら、やっぱりいい、と思うのではないか。ライブが楽しく終って、あわてて松倉さんのCD「星」と、渡辺勝さんのCD「枯葉」を買う。
いっしょに聞いていた財津さんもしきりに「いいなあ」と言う。コクテイルもたいそう気にいったようで、こんな店が自分の住んでる町にあったら、毎晩来てしまいますね、と。
今日、さっそく、「星」を聞いて、やっぱりこいつは素敵な歌声だ、としきりに感心する。くせになりそうだ。
小平市中央図書館公民館で、年に一度の古本バザー。出遅れて、列は長い長いのの、ずっとずっと後ろ。10番目くらいをキープした石原、北條、ぐーるど、志織、コウノグループが彼方から手を振っている。その前に並んでいる顔、顔は常連の面々。今回から、単行本50円、マンガ・文庫・新書が30円と均一制になった。最初は文庫なんか、5冊100円で、買えば買うほど、一冊が安くなる価格設定がしてあった。最後は一冊10何円かになるという。しかし、まあこれでいいでしょう。精算がずっと早くなったし、7冊いくら、10冊いくらという時は、その册数をそろえるのがけっこう大変だった。ぼくは70冊近く買ったのではないか。娘をいっしょに連れてきていたので、お先に失礼する。満腹しました。山本ならこの三倍は買うだろう。
珍しい一冊は、ギュンター・グラス『蝸牛の日記から』初版帯付きか。