前田くんが作った本

okatake2009-02-25

アスペクトに腰を落ち着けた前田くんが、「作りたかった本です」と言って、自分が編集した『1980年代のポップ・イラストレーション』アスペクトを送ってくれた。よかったなあ、おめでとう。
1980年代に活躍したイラストレーターたちの仕事を、週刊誌大の大判、それもカラーで紹介する。鴨沢祐仁霜田恵美子、スージー甘金、日比野克彦ペーター佐藤山口はるみ湯村輝彦など、「ビックリハウス」「ガロ」など、ぼくが一番雑誌を読んでいた時代に、見た絵ばかりだ。いわゆる「へたうま」時代。不思議なことに、蛭子能収の、あの狂気と下品をはらんだ絵が、カラーで大きく掲載されるとポップアートみたいに見えてくる。ナンシー関は、おなじみ芸能人似顔絵ではなく、初期の仕事が紹介されている。ここで気になったのは、ナンシー始め、ペーター佐藤渡辺和博鴨沢祐仁、上野よしみなど、40代、50代で亡くなっている人が目立つことだ。
「かげろう文庫」目録は全カラー。「挿絵本」特集。これも永久保存だろう。河野通勢、佐藤敬脇田和鈴木信太郎木村荘八などの挿絵画稿が、数万円という手頃な値段で出ていて、これは欲しくなる。
河出の西口さんから、草森紳一『「穴」を探る』、海音寺潮五郎『新名将言行録』河出文庫を送られる。前者は古今東西の文学作品、マンガ、社会事象などから「穴」の出てくるものを見つけ、老荘思想から、これを読み解く試み。
CSで、「刑事コロンボ」を2本も見てしまう。ワイン・ソムリエ(ドナルド・プレザンス)のと、料理評論家が主人公の。前者は、シリーズ屈指の傑作なり。
某所から、都内某所の古い家(聞けば、驚くほど由緒あり)が本を整理したがっているが、どこか適当な古本屋さんを教えてくれ、と依頼が来る。古い家から出る本、と言えば「日月堂」だろう、と推薦する。
蓮實重彦対談集『事件の現場』を、何度目かの再読、というより拾い読みをしていたら、中村光夫との対談にいっぱい線が引いてあって、やっぱりこれがおもしろい。ノートに書き写す。これも山本との「対談本2」の準備なり。中村光夫のことをちょっと話したい。それに関連して筑摩書房の話も、いまや国際的になった山本としたい。
ゴヤブックマークの古本、80冊ほど準備する。80冊を抜いても、砂山のひとつまみをすくったほどにも、蔵書全体量の変化がない。たぶん5、6000冊単位で処分して、どうにか本棚が、ちゃんと見られる状態になるような感じだ。