仕入れとしての読書と告知

okatake2009-02-19

午後、自転車でひさしぶりに「古本市場」まで行ってみたが、途中、土の道が舗装されていた。このあたりでは、玉川上水沿い以外で、珍しい、ぽくぽくした土の道だったのだが、住宅が建ち並び始めて、こうなるしかない。いい気分でしたけどね。畑を見ながら、土の道を歩いたり、自転車で通ったりするのは。
仕込みのため、あれこれ本を雑読する。加藤典洋『文学地図』は、この20年の文芸時評と、現代文学の見取り図を示す評論からなる。開高健の遺作「珠玉」から始まるのが象徴的。それに小川国夫、八木義徳。みな死んでしまった。この20年で文学地図がすっかり変わったことがわかる。佐藤泰志を買っていて、いちいち言及があり(自殺の件も)、このところの芥川賞受賞した女性作家もいち早く評価している。さすが、だ。和田芳恵『私の内なる作家』は、作家の思い出を中心とした随筆集。中央大学出版部から出ているのが不思議。いい話がいっぱいだ。吉川英治からの温情にホロリ。
こういう読書をしていると、まさに青春時代の純文学系直球読書を思い出し、血液に若い血がみなぎるようだ。文芸時評もガンガン読んでいた。読んでないのに読んだふりをするのに大切な仕入れだった。
ありふれた奇跡」、バラバラに見えた星が星座を描くように、ちょっとつながり始めていた。らしく、なってきた。前にここで批判した、戸田恵子八千草薫とのやりとり、やはり、八千草は戸田の不倫を感づいていたのだ。これはぼくの早計でした。井川比佐志と風間杜夫のやりとりがいいねえ。ノムラじゃない、加瀬がこてんぱんにやられ、結婚を拒否されたこと、井川が直接、八千草からも聞き、夜、一人酒を飲んでるシーン。コロッケなんかで飲んでる。そこへ風間が帰還。やたらプリプリと井川が怒っているのだが、風間が外で弁当を買ってきて、それをカバンの中に入れて帰ってきたことにも井川は怒る。そういう気の小さいところが、加瀬に遺伝されている、とかなんとか。風間は事情を知らず、わけがわからないのだが、細かいねえ。
この「ボタンのかけちがい」が、山田太一ドラマの一つの味で、しかもプロットの重要なラインを作る。ボタンはかけちがったまま、最後の一つまではめられ、最後になって、逆にボタンがはずされていく。


さるところから、お尋ねがあったので、以下告知(Pippoさんブログから貼付け)。ぼくとピッポさんは、14日の午後、出演します。時間は15時くらいだったかな。
詳細がわかれば、またお知らせします。深川いっぷく、の場所は、深川いっぷくで検索してみてください。とりあえず、いちおうな。

 ◆3/14 古書 日月堂・紙モノ展示イベント(3/13〜3/29) 内にて      
     ☆Live+Pippoとオカタケさんのオススメポエムショー☆
      Special ポエムゲスト!岡崎武志 ≪会場≫深川いっぷく