ネギさんちの夕べ

okatake2009-01-18

朝から空はくもっていて、いっそう寒い。朝8時に某紙記者から電話。なにごとならんと飛び起きたら、書評の依頼。昨日、自宅に再三電話があり、携帯にも電話をくれたらしいと妻から聞かされる。締め切りまで一週間というタイトな依頼で、それで、この時間になったらしい。定期的に仕事をくれている新聞なので引き受ける。しかし、朝8時は驚いた。
起きる前に見ていた夢は、高いビルの最上階のレストランで、取材か何かをしていたら、突然爆発が起り炎上。あわてて逃げるというもの。取材した資料、ノートをテーブルに置き忘れたことを憶い出し、取りに戻るとまた爆発。なんだ、いったい。そのくせ尿意をもようしトイレへ行くと、小便器はなく、しきりのない向かい合わせで、ずらりふたつきの大便器が並んでいる。以下、省略。
午前中、学校でクラブがあるという娘を、あることで叱り、9時から日曜美術館菱田春草。37歳で亡くなっている「朦朧体」と呼ばれた、日本画の革新者。
昨日は、午後から五反田。即売会2日目に顔を出す。一階で200円の本を5冊買った。やなせ・たかし『人間なんてさびしいね』サンリオは詩画集。1976年初版だが、4年で12刷り。よく売れたんだ。詩はあいだみつをレベルだが、絵はなかなかいい。サンリオの前身、山梨シルクセンター白石かずこ『動物詩集』は、カバーなしだが宇野亜喜良装幀で挿絵多数。今江祥智『きょうも猫日和』マガジンハウスは、すでに売った本だが、また仕入れ。宇野イラスト。あと婦人雑誌のフロク、それに「ここに泉あり」シナリオ。
新宿へ戻って京王線代田橋改札で「だいこんの会」有志と待ち合わせ。少し早く着いたが、駅を降りたときから、ここは一度来てるな感がある。駅前周辺図を見て、そうだ、イラストレーターの土橋とし子さんの取材で来たのだと憶い出す。もう10年以上も前のこと。
駅周辺を散策し、待ち合わせ時間に改札へ戻る。9名がうち揃い、本のために建てたというネギさん宅を訪問。北條くん、糸織ちゃんがかつてこの町に住んでたというので、少し青春プレイバックを。いまは無くなったが、二軒古本屋があって、と北條くんが言うと、石原くんが「えっ、どこどこ?」と激しく反応。いや、もう無いっていうのに、それでも気になるんだ。
ネギさん宅は、渡辺篤史がすぐにでも来そうな、おしゃれな作りの三階建てで、ネギさんは外階段で、別の玄関を持つ。なかへ入ってみな歓声をあげる。吹きぬけで、壁ぐるりすべてが本棚。そこに内外の文芸書がきれいに整理されている。これほどきれいな本棚を見るのは初めてだ。10人が座れるテーブルで、ネギさん手製の料理をいただきながら新年会。ぼくの古本生活を撮った「ひとは、古本でつくられる」、ワーズワーズの庭で「田村隆一」、日曜美術館洲之内徹」を、プロジェクターで見るが、三倍速で録った昔のビデオも、ハイビジョンで見るように画像がきれい。どうなっておるのか。ネギさんの料理が、普通にお店で出されるように旨い。「これ、店できまっせ」と褒める。みんな、おいしいおいしいとたいらげる。ぼくはちょっと飲み過ぎ。
過去20数年の山のように録りだめたビデオがあるので、また、ぼくのセレクトで上映会をやろうと盛り上がる。
車中は大村彦次郎『東京の文人たち』ちくま文庫を読む。