冬のさなかにうなぎを食す

okatake2009-01-14

正月、夜明けとともに、一日がまっさらになったような気になったが、徐々に手垢で汚れ、膿み始めている。ホットウイスキーを飲む。
軽度のうつ。日々が始まってしまったせいか。今日も空が高く、空気が澄み切っている(ように感じられる)。一枚残った青春18でどこかへ行きたくなるなあ。
また変な目覚め方をして、毎朝、2つ3つ、いろんな夢を見る。夢だけが豪華だ。学校で教えるという夢もひんぱんに出てくる。予習をせずに教室におもむき、教科書を前に、どんな駄法螺をでっちあげるか、などと懊悩している夢もよく見る。
午前中、NHKで鎌倉散歩を見る。川原亜矢子は「キッチン」でデビューしたモデル。年とって、顔がちょっと変。注文してから割いて焼くから50分待ちという老舗うなぎ屋で、うな重を食ってるのを見ると、しきりにうなぎが食いたくなり、近くのスーパー内に出店した、少し高級なお惣菜やで、980円のうな重を注文する。こっちは7、8分の待ち時間。あれこれ買物して、できたうな重を、永谷園のまったけのお吸い物(独身時代、よくこれでお雑煮を作った)で食べる。7分待ちの980円なりのおいしさ。あとは家で仕事。いちおうな。
昨日「ブ」で、200円文庫セールをしていたので、辻惟雄『奇想の系譜』ちくま学芸、岡崎武志『古本生活読本』ちくまなどを買う。
サガンの新訳(河野万里子)『悲しみよこんにちは新潮文庫、読了。フランスの新人作家が現在書いた小説として読む。変な言い方だが、これはよく書けている。
堀江敏幸『本の音』晶文社、ぱらぱら再読。こういう明晰で鋭利な書評はとても書けないや、と思う。読みたくなった本がたくさん。
シャブロル「美しいセルジェ」をDVDで見る。病気療養のため、故郷の寒村にバスで帰ってきたフランソワ。気のよさそうなパン屋の級友が迎え、荷物を持つ。バスの反対側にカメラがパンし、泥酔したセルジュが映る。不穏な音楽。そこで、ああ、これは前に見たと憶い出す。寒さがフィルムから伝わってきそうなシャープな映像。
来週、取材で京都へ行くことが決まる。『魚神』で小説すばる新人文学賞を受賞した千早茜さんを取材する。京都在住、なのだ。
これからまた、ちょっと仕事。明日はTBS。