冬の寒さに負けぬ花

okatake2009-01-12

ぞくぞくと寒い。風邪の初期症状ならん。おとなしくすべし。よって「外市」へ行けなんだ。
毎日「あった、あった。」新年第一号は、平岡正明山口百恵は菩薩である』を書く。
「ブ」で昨日今日と買ったのは、C・ハイアセン『復習はお好き?』文春文庫、黒川鐘信『神楽坂ホン書き旅館』新潮文庫寺島靖国『JAZZはこの一曲から聴け』講談社+α新書、鹿島茂『デパートを発明した夫婦』講談社現代新書、『大手拓次詩集』岩波文庫小谷野敦恋愛論アンソロジー』中公文庫、森茉莉『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』ちくま文庫小池昌代『裁縫師』角川書店が105円。200円セールで、三木竹二『観劇偶評』岩波文庫和田誠『オフ・オフ・マザーグースちくま文庫、イザベラバード『日本奥地旅行』平凡社ライブラリー、『高橋悠治コレクション1970年代』平凡社ライブリー。
こういう買い方で、思いがけない出逢いがある。大手拓次は名のみ知る詩人だったが、少し読んでみる。幻想とエロチシズムのないまぜは、朔太郎に通じる味があるな、と思ったら、解説を読むと逆で、朔太郎が影響を受けた由。孤独癖と病いで、愛情の薄い人生を40代で閉じる。生前に一冊の詩集もなかった。唯一の職が、ライオン歯磨の広告部で文案部にいたこと。つまり、現在のコピーライター。1918年に「ライオン当用日記」の編集、執筆を担当している。そう言えば、蟲文庫さんにもらった「ライオン当用日記」があったな。あれが1918年版なら、大手拓次の仕事ということになる。
故郷は群馬と長野の県境、碓井で、軽井沢にいた中村眞一郎が、この大手の生家に残された蔵書の恩恵を受けたという。
大佛次郎終戦日記』昭和19年の章、読み継ぐ。分れ道の古本屋、横浜の「勉強堂」など、古本屋の記述多し。ホンが少なく、古本を買うには、代替にホンを売らなければいけない、みたいな記述があいかわずあり。食料、酒も多いに不足。それでも名士の大佛は、いろんな手をつくし、酒も飲み、肉にもありつく。世間では「どこへ行っても食物の話ばかりで戦争がどうなっているかを人が話していない」と言う。さもあらん。
海外文学のもっともポップで軽快なガイドはフレデリック・ベグデア『文学の墓場』角川書店なり。アンケートで選んだ世界文学50選を、まったく独自の視点で紹介している。これが楽しい。
第46位はフィッツジェラルド偉大なるギャツビー』で、これを書いた時「フ」は29歳で「すでに技巧の頂点を極めていた。彼はアメリカという国を完全に掌握していた。その証拠に、アメリカはいまだにフィッツジェラルドが描いたままの世界だ」はその一例。これは、山本善行との対談本第二弾のために、仕入れ中。