「グーグー」はダメだった

okatake2009-01-10

ひさしぶりの雨。サンデー毎日へ。年明けで届いた本は少ない。単行本4冊、文庫1冊、新書1冊を選ぶ。
神保町へ。途中、風が強く、傘が振り回される。「コミガレ」で本を見ていると、若いボウズでメガネの男と老婆(汚い身なり)が店員に大声で何か聞いている。古本屋の場所を聞いているらしいが、それがテンションが高く、異常に執拗だ。何となくそっちを見ていると、男がすごんで「何、見てんだ。本、見とけ」と言う。おお、怖。神保町で殺されることもあるかしらん。ワイワイ言いながら、本を見ずに出ていったが、あきらかに場違いな二人だった。神保町では聞いたことないような人物、コトバだ。しばらく本を見てると、なんだか可笑しくなってきた。「本、見とけ」か。そのとおりだ。
飯島耕一『女と男のいる映画』、平岡正明『ジャズ宣言』、萩原朔美『定点観測』を500円で買う。「ぶらじる」で青木正美さんと待ち合わせ。少しインタビュー原稿の話をする。古書会館へ移動。即売会を見るが、買わずに出てくる。入口で文藝春秋の仙頭さんとぱったり。少し立ち話。熱心な古本好きの編集者。
「ギンレイ」で最終の「転々」グーグーだって猫である」。「転々」がおもしろい。80万の借金を作ったオダギリ・ジョーと、取り立て屋の三浦友和が、東京をブラブラ歩きながら霞ヶ関を目指す。随所にギャグあり。「町で岸部一徳を見かけるといいことがある」という噂があり、その岸部が岸部役で登場するのもバカバカしい。「グーグー」の小泉今日子、鷲津真知子、など数人が「転々」と重なって出演。吉祥寺もどちらにも映る。しかし「グーグー」はダメだった。猫映画として、猫好きはモンクないだろうが、もともと大島弓子という実在の漫画家を、そこだけ名前を変えて、ドラマにすること自体無理があるのだ。その無理が、解消されず、なんとも中途半端な映画になった。席が端だったら、途中で出ていたと思う。館内は満員で、最後のタイトルロールのとき、帰り支度をする前の席の女あり。途中で出るのは自由だが、ずっと突っ立って、コートをのろのろと着ている。それは通路に出てからすることだろう。
館内でもとEDIの藤城くんを見かけ挨拶。帰りも同じ電車で途中まで話しながら帰る。むかしからの「ギンレイ」パスポート会員らしい。それならぼくの大先輩だ。