荒川洋治講演「新しい読書」

okatake2008-11-20

昨日夕方、西荻経由、神保町へ。「音羽館」均一で、マヌエル・リバス『蝶の舌』を買う。
この日は東京堂での荒川洋治先生講演&サイン会「新しい読書」。会場は満席だった。荒川人気はすごい。知ってる顔があちこちに。荒川さん、例によって、ユーモアを交えながら、文学、ことば、読書の重要性を、ときにアジテーションしながら説いていく。あっというまの2時間弱だった。
ぼくのすぐ後ろが、「ではでは」のフレーズを作った編集者の大場さん。大場さんの編集した、『秘密のおこない』の著者、蜂飼耳さんも来ていて挨拶。一度、三人で呑もうと話す。
今回の荒川さんの『読むので思う』を手がけた、装幀家間村俊一さんと、講演が終ってから神楽坂へ移動。間村さんのホームグランドの店で12時まで呑む。同店での間村さんの呑みともだち、池田美術の池田さんに紹介される。池田さんは、いちばんいいときの「話の特集」編集部にいた人。野坂番だったという。そりゃ大変だ。画廊主になってから、洲之内徹が亡くなったあと、「現代画廊」でやるはずだった企画展をいくつか引き継いでやったらしい。「気まぐれ」によく出てくるみよしさん、など。
間村さんから、「岡崎さん、あんた、書くものがおとなし過ぎるで。もっと思い切って、好きなこと書いたほういい。そのほうが岡崎さんらしさが出ると、わし、思うな」というようなことを、何度か言われる。なかなか、そういうこと、面と向かって言ってくれる人はいない。ありがたい、と思う。まあ、ぼくにはぼくのスタイルや、味があって、すぐに路線変更はできないのだが、それを踏まえて、言ってくれるのだから、傾聴すべき助言だ。
ほとんど睡眠とらず、今朝はTBS。ところが、中央が大渋滞。三鷹通過まで2時間とか言う。甲州街道をひたすら行く。こちらも渋滞。これはまにあわず、電話で出演かと思ったが、高井戸からまた高速に戻り、なんとかまにあう。
帰り、ハイヤーで新所沢へ。ここのパルコで古本フェアをやっていると知ったのだ。途中、並木が色づき、空気が澄んでいて、雪をいただいた富士山がくっきり見えた。パルコの古本フェアは小規模なもの。アイドル、音楽の雑誌、パンフ、ポスターがたくさん出ていて、松任谷由実のコンサートパンフを3点買う。これは、弟が京都でやっているもう一つの店「キャラメル・ママ」の新装オープンのお祝いにと約束していたもの。同じフロアの「リブロ」で、いま話題の「東京人」増刊「三鷹に生きた太宰治」を買う。
家に帰るため、西武線、所沢で降りたが、そこでどれに乗ればいいかわからなくなる。国分寺線は東村山で連絡。それを忘れていた。この西武線の所沢周辺の路線のからみあいは、いつも必ず迷い、頭が痛くなる。だいっきらいな路線だ。新宿行きと池袋行きが、同じホームの対面にあるのも乱暴で、これも混乱のたねになる。腹も減ったし、所沢で途中下車して「ブ」へ。文庫を5冊、「芸術新潮 没後10年須賀敦子が愛したもの」を750円で買う。これは読みたかったんだ。
あ、ミーツ東京から『東京肉本』いただきました。「南陀楼綾繁の東京裏街歩き」をさっそく読む、見る。そうか、三河島の商店街はそうなっとるのね。「稲垣書店」をちゃんと入れているところが、ナンダロウくんらしい。焼肉パーティに写る四人は、いまもっとも「肉」が似合う文化人といってよいだろう。