五反田へ

okatake2008-11-14

週刊現代」から、川上弘美さんの新刊短編集の書評依頼があった。ゲラで送られてくる。ゲラは読みにくいが、これはとにかく楽しみ。「インビテーション」はコーヒーと本、の特集をするそうで、三冊ほど、コーヒーの似合う本を挙げてくれ、という。植草さん、獅子文六の「可否道」などはすぐ浮かぶが、当たり前すぎるか。もちろん林哲夫さんの本がある。
今日は五反田経由、サンデー毎日。五反田についたのは10時で、もうガレージセールは落ち着いている。あれこれ200〜300円で拾う。『稲垣足穂大全2』とか、澁澤龍彦『唐草物語』など、どうなっているのか、と思える値段。少年少女雑誌の付録も数点拾う。「おもしろくてわかりよい 野球絵ときブック』は「野球少年」昭和27年のフロクだが、好ましい(写真)。『ブロンディ 第2集』も200円。「ジャック&ベティ」の英語の教科書も。田宮虎彦・小松益喜『神戸 我が幼き日の』など10数冊。庄野英二長新太/絵)の大判『星の牧場』だって200円だ。ソノシートつき絵本、講談社のトーキンブックス、醜いアヒルの子と鉛の兵隊を岸田今日子小池朝雄が朗読している。ムーミンコロンボ。200円。「なかよし」フロク漫画「ママ一ばん星よ」は、これでもかこれでもかと不幸が襲いかかる少女の物語。とうとう、めくら(と、そう書いてある)になり、いじめられる、という酷いもの。200円。
上にあがって、アトリエ社の現代ユーモア小説全集の北村小松『街頭連絡 医者と坊主』が裸本で難ありだが500円は安い。第一書房萩原朔太郎『随筆評論 廊下と室房』もタイトルとたたずまいで買う。500円。500円出せば、かなりいいものがガンガン買えるという印象。しかし、きりがない。ほんと、買い出したら、段ボール一箱でも軽々買える。「うさぎ」さんが、映画の宣伝用のぼりを数点出してたが、「ベビーギャング」のは欲しかったなあ。2100と安いんだもの。五反田で買い出すと、本当に、ふつうのお店では買えなくなる。
サンデーで仕事。歩いて飯田橋へ。今日はかなり暑かった。コートを脱いで歩く。外人観光客の姿をあちこちで目にする。「ギンレイ」で日本映画2本見る。
岩松了「たみおのしあわせ」、是枝裕和「歩いても歩いても」。どちらも廃業した医院に住み、どちらも原田芳雄が出ている。どちらも、欠損のある家族の話。前者は母親、後者は亡くなった長男。「たみお」はけっこう面白く見たが、「歩いても歩いても」を見た後では、その差がはっきりする。「歩いても」の方がはるかにできがいいことがわかる。「たみお」はセリフにおもしろいところがあるが、映画としては破綻しているように思えた。小津の「晩春」、「卒業」、「フィールド・ドリームス」からの引用があるが、それもあまり効果なし。
夜、高校時代の友人の白石と電話で話す。日曜日は同窓会がおおさかである。ぼくは行けない。しかし、なんだか話をしていると楽しそう。ちょっと毎年は行けないな、と思う。ちょうど関西に用事があればいいのだが。