新しい自転車で

okatake2008-11-13

11月に入ってから、週や曜日がこんがらがっている。こうして、今年の終りが瀧のように落ちていくんだ。
昨日は、なんとか大林宣彦インタビューをまとめて、サン毎に送稿。あわてて暗くなった空の下、飛び出していく。今夜は、元「コクテイル」のアルバイトをしていた公家ちゃんが、四谷三丁目交差点から少し歩いた荒木町でオープンしたバー「番狂せ」へ初めて行く。角川系列三冠王東中野の飲ん兵衛編集者の中村くんを誘う。そしたら、KKベストセラーズの若き女性編集者のKさんもくっついてきた。その道中のにぎやかなこと。
荒木町の飲食が密集した路地の奥に「番狂せ」の看板が。ドアを開くとカウンターと、二人席のテーブルが一つの可愛い店。「やあやあやあ」と挨拶し、3時間があっというまに過ぎた。ぼくはこのあとコクテイルへ行くつもりだったので、ちょいセーブ。中村君はいきなり全力疾走だ。公家ちゃんの店は、公家ちゃんらしい、ポリシーと美味しい食べ物を用意した、いい店だった。かかっているBGMが伊勢正三、イルカ、高節というのが泣かせる。えっと、住所はねえ、荒木町三番地だ。土日は休みね。四谷三丁目交差点を四谷方面へ歩く。北側だよ。三つ目の筋を左折。二つ目の細い筋を右にひょいと覗くと看板が見える。また、知り合いを連れていこう。
KKのKさんとは地下鉄で別れて、中央線コンビでコクテイルへ。あれ、魚雷くん。扉野くんがいま向かってます。畠中さんも。へえ、そうなんだ。よっしゃよっしゃと炉端を囲む。元「ユリイカ」の郡くん一行も入って、どがちゃがの夜。ちょっと呑みすぎた。国立からはタクシーだ。でもいい酒だった。扉野くんが、また奇跡の文学的衝突を果たした、という話も聞いた。
帰り際、畠中サンから、東京堂でハルミン・ナリコのトークショーをやるときは、司会をお願いと頼まれた気がする。もちろん、やりますよ、と答えた。ぼくは、そういうポジションだと、自覚している。どんどん、振ってください。
あ、そうそう。今日、昼飯を食べに、家内と自転車ででかけたら、帰り、パンクしてんですよ、ぼくの愛車が。もうボロだし、ってまだ5年しか乗ってないけど、もういいかってことで買い替えることに。保険やら何やら、向こうが言うのをすべてうんうんと返事して、三万ちょっとの自転車を買う。やっぱり、調子いいや。新しい自転車で高原を滑る、ってユーミンの歌にありましたけど、ほんと、どっかへ行きたくなるな。
夜、劇団「昴」から頼まれたパンフの文章4・5枚を書く。「クリスマス」の話。星新一の「ある夜の物語」を紹介したいが、あちこち探したんだが、ない。新しい自転車で、ライトをピカピカさせて、「ブ」まで。半額のところにあったよ。『未来いそっぷ』新潮文庫が。余計なものも買ったが、まあまあ。
午後、J・アイボリー「上海の伯爵夫人」を見る。日中戦争開戦前の上海が舞台。セットとか、時代描写が豪華でしたねえ。いやあ、ガタゴト走る、小さな路面電車がよかった。堪能しました。