「女の暦」

okatake2008-11-11

変な寝方をして、夜通し起きていた。二度寝して、目が覚めたたら9時。あわてて起きる。今日は、大林宣彦監督の著者インタビューがある。
晩鮭亭さんから、顔がぱっと晴れるようなメールあり。これはうれしい。それまでがんばろう。
昨日、CSで久松静児「女の暦」を、途中から見始めて、おもしろくて最後まで見た。これは傑作。小豆島で生まれた五姉妹が、田中絹代、花井蘭子、轟由起子杉葉子香川京子。小学校の教師をする杉と、家事をする香川のみ、小豆島で家を守り暮らす。田中(広島)、花井(大阪)、轟(東京)はそれぞれ嫁いで、長く島へ帰らないが、父親の法事を機にみな集まる。いわばそれだけの話を、それぞれのキャラクターを描きながら、結婚観の相違、親子、きょうだいの情をみごとに浮き彫りにしていく。小豆島の自然描写も美しい。職人、久松静児の力がいかんなく発揮されている。
杉が轟を訪ねて上京するシーン。東京駅で同僚(細川俊夫)と別れ、「ここから市電で行きますわ」と言うのを、同僚が「市電じゃない。都電ですよ」と指摘する。戦後になってなお、市と都の混乱があったようだ。
これが昭和29年の公開で、キネ旬ベストテンの17位。それも仕方ない。この年、一位と二位が木下恵介の「二十四の瞳」「女の園」、三位が黒澤「七人の侍:、以下、黒い潮(山村聰)、近松物語(溝口)、山の音、晩菊(成瀬)、勲章(渋谷実)、山椒大夫(溝口)、大阪物語(五所)と、口をあんぐりするしかない作品群が一挙に噴き出た年。「七人の侍」が三位なら、何をどうとればいいのだ。
「女の暦」は、原作が壷井栄で舞台が小豆島と、一位の「二十四の瞳」と重なった。こんな国民映画と一緒じゃ分が悪い。
香川京子がたまらなく可愛い末娘を演じているが、その恋人が酪農をする恭平、舟橋元だ。大づくりの目鼻に人のよさそうな表情。どこかで見たと思ったら、「燃えよ剣」の近藤勇だ。酒の呑み過ぎで糖尿になり、「燃えよ剣」の頃はすでに体調がよくなかった。最後、失明し、失意の底で膵臓がんにかかって42歳で死ぬ。そんな不幸が似合わぬ、のんびりした顔なのだ。そういえば、同じタイプの高橋貞二も早死にだ。
ちょっと仕事が、手からこぼれ始めているが、なんとか食い止めること。苦しい時になんとかするのがプロ、と、ラーメン屋で読んだ「味いちもんめ」に書いてあった。
今月30日「みちくさ市」の出店場所が決まりました。ぼくは鬼子母神のすぐ近く、「ぎゃらりー三愚舎」さんの軒下を借ります。古本漫才ユニットのカネコウノのコウノと一緒。みなさん、遊びに来てください。今週は、16日が西荻ブックマーク(佐藤泰志)、22日が追分コロニーのトーク、30日がみちくさ市と週末が混み合ってきた。