大宮、春日部

okatake2008-10-21

ウッズの2ランで、はいそれまでよ。悪夢の一夜が去った。しかし、あのホームランは見事だった。藤川の速球にタイミングがあってないように見えたもの。それを打ち砕いた。あの放物線。阪神ファンの期待を一夜の夢にしてしまった。しかし、あのあと逆転しても、たぶんいまの阪神では、巨人に結局勝てないだろう、と思った。オリンピック前まえの阪神、あれはなんだったんだろう。
今日は、晶文社・高橋さん、工作舎・岩下さん、営業の女性お二人と、大宮ジュンク、春日部リブロと『雑談王』フェアをしてもらった感謝を込めて、表敬訪問する。ちょっとした水戸黄門、そして旅行気分。大宮はしばらく来ないまに、すごいことになっていた。西口は、むかしの地方都市の駅前の風情を残すが、東口は、高層ビルが息苦しいほど建ち並ぶ。西口のロフトの8Fが「ジュンク」。その裏側に「ブ」あり。少し早めについたので、こちらも表敬訪問。『古本極楽ガイド』ちくま文庫450円を買う。手持ちが少なくなっていたので。ほか105円で文庫と単行本を10冊ほど。ジョン・アーヴィング『一五八ポンドの結婚』サンリオを買う。その他もろもろ。
ジュンク」の白川さんに挨拶し、フェアをやってくれているコーナーで記念撮影。三冊にサイン(イラスト)する。手作りの看板など、手がけてくれた文庫担当の女性にも挨拶する。文芸書コーナーをざっと見てまわるが、細かいところまで、よく選書の目が行き届いた、気持のいい棚だった。国書刊行会の『定本 久生十蘭全集』パンフをもらう。
大宮で昼食をとり、東武野田線に乗り込む。ホームが少し離れたところにあり、もう電車が待ち受けていた。なんともローカル線の匂い。旅情がホームに寝そべっている。ワイワイ言いながら車中の人となり、春日部へ。春日部は二度目。「自由時間」ライター時代、子どもを交通事故で失い、脱サラして、スーパーの店頭で焼き鳥を焼きながら、演歌を歌っているおじさん(太陽昇といったか)を取材するため、来たのだ。もう15年以上前の話だ。しかし、駅前に立っても何も覚えていない。
1年前にオープンしたという大型ショッピングモールのなかに「リブロ」が入っている。ここでも、ぼくの著書を中心に、『雑談王』に出てきた本が陳列されている。『本棚2』の、ぼくの書庫が写ったページが見開きで、置かれてある。このあたりは、さすが中尾さん。モール内のイタリアンレストランに移動し、お茶しながらサイン(イラスト)をする。中尾さんの金沢地代の話など聞く。
大宮と春日部の方、と言って、これを読んでくださっているかどうか、心もとないが、できれば両店にちょっとお立ちよりください。お願いします。
春日部でも駅をはさんで反対にある「ブ」へ寄り、文庫2冊買う。駅まで戻ると、夕空を、椋鳥が異常な数の群れをなして、飛び回っていた。
帰り道は遠かった。来たときよりも遠かった。そんな唄がありました。
もう少し、ていねいに、いろんなこと、元気よく記しておきたかったが、どうもいけません。高橋さん、岩下さん、白川さん、中尾さん。ありがとうございました。ほんとうによくしてくださって。謙虚に生きていこうと思います。そして、よい仕事をしないと、ね。
車中、三橋順子『女装と日本人』講談社現代新書三浦哲郎『わくらば』新潮文庫を読む。夕食後、少し眠り、ジョン・アーヴィング梶井基次郎久生十蘭教養文庫)を読む。十蘭の全集、これまでの全集に未収録の原稿が量にして倍、という恐ろしいものだが、いまのところ、ぼくは教養文庫の選集でじゅうぶんである。