生田誠・石川桂子共編『甦る小林かいち』

okatake2008-10-19

日誌のデザインをひさしぶりに変えました。へえ、こんなに簡単に変わるんだ。昨日は最後の「中央公論」の原稿を書き上げる。茂木健一郎『脳を活かす仕事術』と過去の「脳」ものを組み合わせて。最初、こないだ見た「プロフェッショナル」の話から書き始めたが、あとでカット。私憤が混じると文章が濁ってしまう。書き上げて、担当者のメールアドレスに送付するが、何度やってもはねかえされる。なんで、だろう。
一昨日、自転車を駐輪場に置いて、タクシーで帰宅したので、国立駅前まで歩いてとりにいく、ついでに国立散歩。「谷川」均一に、寺山修司『さよならの城』新書館FLが出ていて、見ると100円。おっ!と思って脇に抱えたが、あとでよく点検したら上部に濡れ跡、一部描き込みなど難あり、だった。あたりまえだよね。谷川のおやじさん、知らないわけじゃないもの、この本の値打ち。ほか、宝島の「東京できごと史』50円、文庫棚から小池滋『「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか』新潮150円、関川夏央『現代短歌そのこころみ』集英社100円を。どっちも単行本を持ってるんだが、前者はあとがきを読むと、のちにわかったことを訂正補筆しているようなので。
「ブ」へ行くと文庫新書200円セールをやっている。しかし、もうすでに夕暮れが迫り、めぼしいものはない。植村鞆音直木三十五伝』文春文庫一冊だけ拾う。マンガ売り場で、さそうあきら『花(ハナ)』の第一巻を。これは知らなかったな。飛行機事故で6年ジャングルで生き延びた女性が、高校生活をやりなおす。美女なんだが、野生化し、すっとんきょうな行動を取り、学園に嵐をまきおこす。いかにも、さそうあきらな世界だ。この凶暴な野生児ぶりは誰かに似ていると、思ったら武藤良子さんだった。
夜、家族で外食、おいしいパンを買い、その足で上々堂へ追加と精算。先月はあまり文庫を追加できなかったので、売り上げは落ちていた。今回は、大量に文庫を補充しました。お近くの方はちょいと見てきてください。車中、小室等「いま生きているということ」を聞いていたが、ときどき、阪神・中日をラジオでチェック。絶好の好機を逃し、アナウンサーが「ああ、また阪神。いまに始まったことじゃない。9月からずっとこれだ」てなことを叫んでいる。結果は完敗。監督、真弓がやるって話だけど、どうだろうか。木戸の方がまだいいんじゃないかな。
大事なことをずっと書くのを忘れていて失礼しました。二玄社から生田誠・石川桂子夫妻編による『甦る小林かいち 都モダンの絵封筒』2800円+税、という本が出ました。小林かいち(本名・嘉一郎)、と言ってもほとんど知られていないが、京都新京極にいまもある土産物屋「さくら井屋」で販売された、モダンガールとアールデコの意匠を組み合わせた斬新かつモダンな木版絵封筒をデザインした男。1896年生まれというから、梶井基次郎(1901年)と同時代人で、案外、新京極ですれちがっていたのではないか。本書はその仕事を、オールカラー、原寸で網羅しながら、ほとんど手掛かりのないかいちの仕事を、生田さんと石川佳子さんが解説している。すごいのは、250点を越す、図版の現物は、ほとんど生田さんの所蔵品ということだ。また例によって、長年苦労を重ねて蒐集した、というんでなしに、短期間で集中して執念で集めたものだ。その美しさに眼を奪われるとともに、生田さんの探求力に頭が下がる。「スムース」同人が、またやってくれました。しかし、このかいちの絵封筒、復刻して販売してらぜったい受けますよ。
それで、これも大事な告知だ。ついに、あの、「彷書月刊」の人気連載が本になる! 以下、ハルミンさんのブログから。これは話題になるでしょう。東京でも美女二人のイベントをやってほしい。

『ハルミンの読書クラブ』
浅生ハルミン /彷徨舎 刊
装幀/近代ナリコ

『ナリコの読書クラブ』
近代ナリコ /彷徨舎 刊
装幀/浅生ハルミン

古書情報誌・彷書月刊にはじめて文章を載せてもらったのは17年前。そのなかから、最近の8年分の文章が、本になります。ついに!!って感じがひしひし〜といま全身にまわってきました。長かった〜。
この8年ぶんの連載は、近代ナリコさんと私と1ヶ月交替で書いていて、“ハルミン&ナリコの読書クラブ”というタイトルでしたが、このたび、それぞれ1冊づつ、べつべつの単行本になりました。
そんでもって、装幀はお互いにやりっこしました。特別にくるみ箱をつけて、2冊を合本にする分もつくる予定です。


発売は11月1日。でも書店に届くのは数日後だと思います〜。
どうぞよろしくお願いいたします!

そんでもって、京都でのトークショウの詳細はこちら、shin−bi ブックサロンでどうぞ