秋の日の行ったり来たり

okatake2008-10-13

怒濤の週末と連休が駆け抜けて、今日一日残すのみ。あーあ、疲れた。
とりあえず12日は一箱古本市へ。初めて店を出さず、客として遊ぶ。習慣で、御茶ノ水から千駄木へ、と思ったが、御茶で地図見て、ああこれは、白山から少し歩けば、会場のひとつ光源寺まですぐとわかり、水道橋まで戻って白山へ。鋭角の二股路地をぎゃくに坂を上るかっこうで、歩き出すと、「映画館」というジャズ喫茶を見つける。ああここがそうか。また来てみよう。
光源寺境内では、雑貨と古本が同居。あちこちで知り合いと挨拶。ここで変な小さな建物を発見。もとは便所だったのだろうか。それとも拝観のための発券所か。写真を見てください。
団子坂下でコウノと合流。路上の台に無人古本売りがあり。あかね書房の少年少女世界SF文学全集、ドイル『恐竜世界の探検』を拾う。絵が旭丘光児、というのが、ぼくらの世代には懐かしい名前。で、一箱で買ったのは番外のこの一冊だけ。もうしわけないことだが、集中できなかったのだ。紅屋さんを二度ほど見かけたが、ずっと小走りの急ぎ足。そして、二度とも何か笑っていた。たぶんいい本を買ったのだろうと思う。一度目は「昨日は22冊買いました!」と言っていた。二度目は見かけただけ。こちらに気づかなかった。しかし、すごい買いっぷり。魚河岸で仕入れる魚屋さんみたいだった。
このあと、コウノと歩いているとぐーるどさん、子連れ古本狼となった石原さんと合流。宗善寺へ向かう。手前で「おとーさん:という聞き慣れた声が、渡辺夫人の泰子さんだ。ふりかえったのが渡辺洋さん。「飾粽」同人仲間だ。娘さんも一緒。宗善寺では、国立にかつて住んでいたというご夫婦に話しかけられた。そのあとすぐ、泰子さんと話していたら、かつて国分寺在住で、国分寺二小の卒業生とわかる。娘の先輩ですよ、と言うと、その奇遇にオドロキ、いきなり校歌を歌い始める。シャイな夫の洋さんがこのあたりであきれ顔で見てる。すると、その校歌を聞いた別の出店者の女性が洋さんに「私も国分寺二小の卒業生です。校歌が懐かしい」と言い出し、大変なことになってきた。
休憩すべいと、石原さん親子、グールドさん、コウノとお茶できる場所を求めて迷走。途中、断られた某カフェに張られたポスターを、小学生の石原ジュニアが「あ、若沖(じゃくちゅう)だ」と、読めたのがすごい。山本の娘が小学生低学年で「上林暁」を連呼していたのを思い出す。
一行は、結局、どこも満杯で、とうとう白山まで歩いてしまった。で、結局、日月堂プレゼンツ「ムラカミ家」探訪は行けなかった。午前中に行ったコウノの話を聞くと惜しい気がしたが、ちょっと不便なところで、回っていると、夕方の西荻ブックマークにまにあわない。5時から西荻こけし屋」で『高円寺古本酒場ものがたり』(晶文社)を上梓した狩野俊くんと、角田光代さんのトーク。数日前に、朝日新聞の東京版に告知がけっこう大きく出たためか、会場は立ち見の出る盛況。カウントされた客数は115に達したという。入口で、トロさんが今日の出演者の本の販売を担当。
プロジェクターで、国立時代からの「コクテイル」の店や、客の姿などが映し出され、この日の8割以上の客は「コクテイル」へ行ったことがないと層と思われたが、これでどっと客が増えるはず。それほど、映像で映し出された「コクテイル」は、魅力的だった。トークは緊張するに決まっている狩野くんが、真っ白な顔で登場、心配されたが、角田さんのリードで、そつなくこなし、会場の笑いを誘っていた。上出来だ。じつは、困窮きわまったら、しゃしゃり出てフォローするつもりだったが、まったくその必要はなかった。最後に、ぼく、初期からの客・ハジメちゃん、ニコニコ堂の長嶋康郎さんと前に出て、少し話をしたが、来られた人たちはじゅうぶん満足されたと思う。新カクテルの試飲と投票、サイン会などもあり、にぎにぎしく会が無事終り、打ち上げへ。堀さんとひさしぶりに喋れたのがよかった。いい会だった。
ちくま文庫から、内堀弘『ボン書店の幻』が届いた。装幀は間村さん。写真は坂本真典さん。解説が長谷川郁夫さんと最強のバックアップ。950円+税と、高価になったが、「本の散歩展」には元本が5000円で出ていたから、納得の値段だろう。これは「ブックス・ジャパン」に書評を書きます、とここで宣言しておこう、塚本さん、よろしく。