今日から早稲田

okatake2008-10-01

第23回 早稲田青空古本祭が今日から開かれる。東西であちこち開かれる「古本祭り」の口火を切るという感じ。古本者は右往左往、蔵書がまた増える。ぼくも明日の昼前後に覗こうと思っている。

■日時
2008年 10月1日(水)〜6日(月)
10:00〜19:00(最終日17:00迄)

■会場
八幡宮早稲田大学文学部前)
地下鉄東西線早稲田駅下車 徒歩3分
JR・西武新宿線 高田馬場駅下車 
駅前から学バス「早稲田大学正門前」行き乗車。「馬場下町」下車・会場前

■参加店舗 
浅川書店・渥美書房・古書かんたんむ・谷書房・鶴本書店・飯島書店・いこい書房・古書現世・関書店・寅書房・平野書店・三幸書房・文省堂書店・照文堂書店・五十嵐書店・金峯堂書店・立石書店・虹書店・三楽書房・ぶっくす丈

■会場で1000円以上お買い上げのお客様にもれなく、早稲田古本街の「協力店」で使える1割引券を差し上げます。会期中は何回でも使用可能。(一部商品除く。店で問い合わせください)

サンデー毎日」書評、クッツェー『鉄の時代』河出書房新社、約3枚を書く。例の池澤夏樹編集「世界文学全集」の最新刊。クッツェーは、ちくま文庫に『マイケル・k』が入っている、というぐらいしか知らなかったが、ノーベル文学賞作家。いま、ぶんがくしょうと打つと「文雅苦笑」と出てしまう。一度まちがうと、まちがったのが一番最初に、そのあともずっと出るのはどういうわけか。おかざきは、丘咲きになるし、頭に来るのだ。書評の話。ふつうは400字で2枚だから、3枚は多い方だが、それでも十分紹介しきれなかった。やはり5枚は欲しいところ。しかたないけど。
夕方、空が明るくなってきたので散歩。3、40分歩いたパン屋がテラスで無料のコーヒーをサービスしている。そこを目指す。途中、長嶋康郎さんの「ニコニコ堂」という骨董屋がある。今日は空いていたので中へ入る。コクテイルで角田サンと長嶋さんの対談があり(傑作だった)、そのとき挨拶させてもらっているが、覚えてもらっているかどうか。黙ったまま店内を見ていると、長嶋さんの方から「いらっしゃい。コーヒーでもいれましょうか」と声をかけられる。甘えてごちそうになりながら話をする。本棚に古いノートがあり、引き出すと、びっしり、若い字で、歌の詩と、コードがふってある。自作曲のノートなのだ。「これ、おもしろいですねえ」と言うと、「ああ、それ、わたしんですよ」と言うのでびっくり。長嶋さんが若い時、作詞作曲していて、それを書き付けたノートだというのだ。それが、こんなに無造作に、売り物の古本と一緒に並べてある。昔はみんな、ギターが弾けて、歌を作ったみたいな話になって、いまはみんなアマチュアも技術が上がり、楽器もいいのを持ち、うまくなった、と。しかし、なんでも教室があって、「パンク」の教室があるのには驚いたと長嶋さん。
「ニコニコ堂」をあとにして、パン屋でカレーパン二つとクッキーを買い、テラスでコーヒーを。今日は空気が澄んで涼しく、空にはうろこ雲、途中、畑を通り、大きな神社の回りをめぐりと、気持のいい散歩だった。これから、毎日、なるべく歩こう。都心に出たら、やっぱり歩こう。そういえば、これだけ神保町へ過いながら、北の丸公園へも靖国神社へも行ったことがない。神田の多町あたりには、まだ古い建物が残っている。これも散策したい。
「ぐるり」10月号の特集は早川義夫だ。表紙のイラスト(沢田としき)は高円寺「七つ森」。
なぜか、中村光夫『戦争まで』を再読。瑞々しい感性によるフランス滞在記。最初、小林秀雄に宛てる手紙として書かれた。だから「です・ます」文体。これで文芸評論家・中村光夫独自の文体ができた。『戦争まで』は、文庫を含め、6つの版がある。難度も再刊されたのだ。中公文庫で読むのが、いちばんしっくりくる。