「ばいばい」のリレー

okatake2008-09-27

今朝、起きたら11時だった。いっしゅん、時計が止まっているかと思った。こんなに寝坊するのはひさしぶり。朝飯は抜き、午後高円寺、中央線展で4冊買い、あわてて東中野から都営大江戸線へ。浜離宮朝日ホール青柳いづみこ ドビュッシー・シリーズふたたび」全4回の招待を受けながら、やっと最終回にまにあった。新阿佐ヶ谷会のメンバーの顔もあちこちに。隣りに座っていたのは小池昌代さんだった。そのため、緊張したのか、お腹がきゅうきゅう鳴って困った。青柳さんの演奏は、ほんとうによかった。さすがドビュッシー弾き。華麗で清新で、波のまにまに、押され、流され、ユリ戻されたような気分。おまけで弾いた、ショパンノクターンなんて手垢のついた通俗曲がこれまた、なんともよくて、ちょっとほろっときました。
帰り、大江戸線車内で、小さな男の子が、席にすわっていたぼくに「ばいばい」と手を振る。ぼくも「ばいばい」と振り返す。それに味をしめて、隣りのおじいさんにも、おじいさんも「ばいばい」。その次も、と「ばいばい」のリレー。見知らぬ他人が偶然座り合わせて、同じ動作をするなんて、ちょっといい光景でした。庄野(潤三)さんが書けば、文学になるのだが。
西荻下車「音羽館」で均一あさってたら、ぐーるどさんに声をかけられ、一緒に「興居島屋」へ。向かいの飲食が今日オープン。そののれんと看板は澄ちゃんの作。その澄ちゃんがいた。少しあれこれ話して、『雑談王』にサイン、イラスト入れる。「はっぴえんど楽譜集」を買う。火星の庭、マエクミさんが月の湯に合わせて上京してくるらしく、歓迎会をやろう、と。うまく10月10日に合えば、だいこんの会に出てもらって、と勝手に段取りする。そうか、海ねこさん、澄ちゃん、火星の庭マエクミさんと来れば、ここに旅猫さん、日月堂さん、海月書林さん、石田さん、呂古さんに参加を呼びかければ、『女子の古本屋』大会になるわけだ、と勝手に妄想し、興奮する。
ぐーるどさんと「どんぐり舎」でお茶。フリーとして生きていくには、みたいな真面目な話に、山本善行の「下鴨」への心構えが、われわれ凡人とはまったく違っている、という話。
ビッグイシュー」、吉田健一『私の食物誌』について書く。麻生太郎をまくらに使って。
電車のなかでは、小川和祐『「三四郎」の東京学』を読む。調べがゆきとどいて、視点がおもしろい。大いに参考になる。例えば、三四郎が旧新橋駅に降り立ち、そこから本郷までどんなふうに移動したか。小川は市電を使わず、歩いたとして、そのルートを証明してみせる。このルート、一度、歩いてみよう。三四郎が最初に東京で出会った「坂」がどこか、つきとめるため。
しかし、この本、カバーのイラストが高信太郎なの。これが安っぽく見えて、損している、とぼくは思うな。