昭和三十年代の匂い

okatake2008-07-16

『昭和三十年代の匂い』学研新書の見本ができあがり、受け渡しと打ち上げの会を新宿の台湾料理店で。少し早く着き、周辺をぶらつく。
新宿へ来るのは一年に数回程度になってしまった。南口から、甲州街道の下を抜け、一本裏筋にあった古本屋はなくなっていた。タイムズスクエアのボードウォークから線路をまたぎこし、西側へ。サザンタワーと呼ばれる一画を抜けたら、もう代々木で、この踏切近くに「ブ」がある。ここは初めて、しかし小さいのな。単行本、文庫ともに105円の棚が極小。3冊ほど買う。HPB、コリン・デクスター『森を抜ける道』、新潮文学アルバム『芥川龍之介』、田家秀樹『読むJ・POP』。新宿センター街に「ブ」ができるチラシが入っている。8月9日。クラブクアトロ下、ということだ。御茶ノ水の旭屋あとに「ブ」が入る、というのはなくなったみたい。
新宿へ戻り、中村くんから見本を受け取って乾杯。このビールはうまかった。このビル、たしか鈴平書店が入ってた。エロと文庫だけだったが、ときどき寄った。新宿から古本屋が消えていく。
だいぶ酒がまわってから、学研で文学の話ができる男女二人が合流。学研が五反田にあるので、よく五反田の即売会で顔を合わし、こないだは一緒に食事をした仲間。「五反田逆境会」と名付ける。
12時近くまで話す。島田清次郎『地上』を復刊! の話で盛り上がった。
帰り、新宿発の特別快速にうまく座れ、できたばかりの『昭和三十年代の匂い』を読む。引用の多い本だが、それも芸のうちと考えていただきたい。考えたら、ぼくは昭和32年生まれで、記憶が始まるのが4歳ぐらいだから、昭和三十年代のことはほんの4、5年しか知らないのだ。記憶の補填を、他人の文章でした。もちろん、自分の体験も入っているし、ぼくなりの時代の考察も入っている。なにより、わがアルバムから写真が数枚使われていて、興味深い。すべて2歳上の姉と写っている。いつも姉にくっついて行動していたことが、これでわかる。幼稚園へ行くまで、同年代の男の子とは遊ばず、姉のともだちとままごとなんかして遊んでいたのだ。
とにかく、自分のなかで気になっているが手をつけなかったことが、ここで書けてうれしい。本体760円。来週水曜日あたりから書店に並ぶと思います。
あ、誤植発見。いま読んでいたら、155ページ、「くいだおれ」廃業を「二〇〇〇八年」と書いている。二万八年って!

大事なこと忘れてた。すまんです。
仙台・火星の庭さんで「荻原魚雷、古本の森文学採集」が7月17日から始まっています。8月18日まで。高速バス、あるいは青春18で、東京のみんな、仙台へ行こう。
マエクミさんパワーをシャワーのように浴びて帰ろう。
火星の庭
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