わが青春の詩人たち

okatake2008-07-10

今朝、夜中4時ごろ、悪夢で目がさめる。娘がなにか、危ない目にあって、助けられないといった内容。叫び声を挙げて飛び起きる。以後、眠れない。朝までかかって、ずっと手をつけずにいた三木卓『わが青春の詩人たち』岩波書店を一気に読了。こ・れ・は・お・も・し・ろ・い。1950年、60年代の若き詩人たちの肖像を描く。索引がついていないので、自分で本の扉に書き出す。堀川正美、谷川雁鮎川信夫田村隆一清岡卓行岩田宏などが、じつに印象的なエピソードと横顔で語られていく。三木と早稲田で同級だった美少女に内田路子がいて、彼女からサイン入りの岩田宏処女詩集を買う。岩田は同じ露文つながりで、内田魯庵邸に出入りしていた。路子は内田魯庵の孫。そして堀内誠一の夫人となる。そんな初耳話もいっぱい。
それと、三木を始め、みな貧しい詩人たちが、家庭を持つ友人知人宅を、じつにひんぱんに訪れ、ごちそうされ、酒を飲ましてもらっていることだ。50代、60代でバタバタと倒れていくのも、なにか詩人というものの正体を知らされたような気になる。各詩人の作品も随時引用されていて、めちゃくちゃ詩を読みたくなる本でもある。装丁は、間村さんだ。
明け方、集中して原稿を書いて、朝飯をたべて崩れ落ちるように眠ったら、電話が。どうも別のところへ原稿を送付してしまったらしい。あわてて、再送。
午後、神保町。彷書月刊編集部で、『新・文學入門』プレゼント用三冊にサイン、イラスト。担当の屋良さんが、今回で編集部を去ることになり、お別れを言う。向日性の明るい人で、よく気がついて、書き手をすごく大事にしてくれた。優秀な編集者だった。残念だが、人には事情というものがある。
サンデーで仕事を終え、今月の書評用に、矢作俊彦『傷らだけの天使』講談社を選ぶ。
毎年恒例の「神保町ガイド」にまたからむことになり、その打ち合わせを別の編集室で。ぼくは、今回、下北沢古本屋ガイドを提案し、することになった。また「ほん吉」さんに会える。
帰り、「ささま」「にわとり」「音羽館」「興居島屋」と古本めぐり。あちこちでちょこちょこっと買う。
音羽館」では、小林秀雄講演「音楽について」CD2枚組を2500円で買う。「ささま」では多田道太郎『変身 放火論』講談社を525円で。そのほかあれこれ10冊は買ったか。三木卓も二冊買う。
音羽館で買った、多和田葉子『旅をする裸の眼』講談社文庫350円を、帰りの電車で読み始めたら、たちまちその言語空間と、特異な小説世界にひきずりこまれる。ううん、こいつは本物だぞ、と思う。
中央公論」連載、ベストセラー温故知新用の、『B型自分の説明書』ほか3冊が届いていた。パラパラっとみたが、これ、本か? ケータイばかりいじくってたら、こういう本しか読めなくなるという見本のような駄本だ。えっ、1000円もするの。