加藤千晶さんを聞かない人がいるなんて信じられないよ、の巻

okatake2008-04-30

今夜は千駄木、ほうろうで加藤千晶さんライブがある。さあ、行こう。
漱石「それから」坂巡りチェックも続けて。代ちゃんは、って代助だけど、神楽坂の途中に住んでいる。三千代は小石川あたり。町へ出るときは神楽坂下へ、坂を下り、三千代に会いに行くときは坂を上る。ここがポイント。
千駄木へ行くなら、途中、うわさの秋葉原「ブ」へ。26日にオープンしたばかり。おたくの巣窟にできた「ブ」は、どうか。JR駅から至近、というのがいい。6階ぐらいある細長いビルのぜんぶが「ブ」。ワンフロアは広くないが、エスカレーターが各階についていて、もうすごい混雑。文庫、単行本の棚を見て歩くが、もう、やっぱり、花は遅かった、バカヤロー!(みきかつひこ)。それでも、白洲正子『古典の細道』、キャロル/吉田健一訳『不思議の国のアリス』が文庫、野崎歓赤ちゃん教育』、山崎まどか『オードリーとフランソワーズ』、飯沢耕太郎『写真美術館へようこそ』を、これはすべて一箱の仕入れ。
京浜東北で西日暮里下車。駅裏からきれいにカーブした「間の坂」を。その上、高台は静かな住宅街。神社がいくつか。散歩ポイント高し。フランス人らしきカップルとすれ違う。ボンジュール! マドマゼール。「富士見坂」も体験。富士見坂は都内にいくつもあれど、いまでも富士が拝めるのは、こことあと一カ所ぐらい。富士山の表示がちゃんと頭上にあります。富士見坂は明るく開けた、下界(千駄木界隈)が見下ろせる、非常に楽しい坂。
くねくねと路地を抜け、不忍通りへ。ひょいと右手を見ると、ちょうど千駄木「ブ」が。いちおう、寄る。いちおう、な。
単行本2冊1000円、文庫2冊500円、という不思議なセール。単行本で一冊腕にかかえたが、あと、見つからず放棄。文庫もたいしたことないや。串間努まぼろし小学校』ちくま文庫の、「ものへん」と「ことへん」を500円で。
加藤千晶さんライブは、開場前から、幾人かの人がほうろう前で待機。黄色い袋を持った男性が目の前を通過。あ、NEGIさんだ。一目で「ブ」帰りとわかる。一緒に座って最前列でライブを聞く。
くわしく書かないが、やっぱり加藤千晶さん、いいなあ。来てよかった。ほのぼの、しみじみと幸せな気分になる。ほうろう・宮地さんとの「本」話もあり(加藤さんのお宝は、加古里子の非売品絵本『お父さんの電話』。しゃがめば加藤さんが隠れるぐらい、ありえない大きさの絵本で、しかもサイレントの中身はありえないだろう、という雑な絵と話)。来場していた、少々お疲れ気味のナンダロウくんとも言葉を交わす。最後、加藤さんに挨拶して(「おに吉」に加藤さん作の「古本屋のうた」(仮題)がいただけることになっておるのだ)、NEGIさんと、うわさのおでん屋「いま福」で一時間ほど飲む。テレビドラマの話や、退屈くんの幸せ話など。
帰り、東京駅へ出て、中央線快速に乗る。この時間、電車は空いてて、道も空いてて、ああ、やっぱり連休中なんだ、と思う。
加藤さんのCD「おせっかいカレンダー」(加古里子ジャケット)を聞きながら、幸せを反芻する。この陰惨な現代で、加藤さんを聞かないで生きていけるなんて、信じられないよ。