春、国立散歩

okatake2008-03-11

『ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008』朝日新聞社を、一日持ち歩いて、あちこち開きながら、あちこち読む。「小西康陽小西康陽になるために読んだ100冊の本」の章で、かまやつひろし『我が良き友よ』のコメントに、「岡崎武志氏の『古本でお散歩』を読んだらどうしても欲しくなった本」とあり、おおお!と声が出る。これ、考えたら「QJ」の原稿だ。あのときも感動したが、今度も感動した。今夜はバカラックを聞こう。この本は、ほんと、外出先で、車内で、カフェで、公園のベンチなど、移動しながら読むと、身体に入ってくるようだ。
移動、といま打ったら異動と出たが、異動の時期で、いくつかハガキやメールをもらった。あの人も大阪へ帰ってしまうのか。
「ブ」で買った干刈あがた『ビッグ・フットの大きな靴』河出書房新社は、普通に組めば、80ページ以内ぐらいで収まる本を、イラストをバックに、戸田ツトムのデザインワークで130ページ弱にした本。おもしろいの。古本屋が出てくる小説です。見つけたら、手にとってごらん。
書評用の吉田修一『静かな爆弾』中央公論新社を、メモを取りながら読む。テレビ局に務める男性と、耳の聞こえない(喋れない)女性との恋愛小説。音のない世界を、いかに文章で作り出すか。吉田修一はじつは初めて。でも、巧い人です。心ある人です。
午後、一ツ橋大の通りから、今まで歩いたことのない国立を歩く。道に落ちた影の濃さが少し強くなり、汗が出る。関玩亭さんの家はここか。帽子屋さんは、奥さんの店。路地で三人の男女が喋っていて、近づいていくと、何を喋っているかわからないことに気づく。中国のヒトだ。国立には中国人が多い。
銀杏書房の店頭で、洋書の写真集のバーゲンを物色する。欲しいのがいくつかあった。でも、重たいからなあ。
めったに鳴らないケータイに電話が。毎日新聞社Sさんから。夕刊コラム「あった、あった。」は、四月からも継続連載されることに決まる。うれしい。ネタ探しが大変だけど、なんとかなるだろう。それと、毎日夕刊がリニューアルするので、そこでまた、ご相談と言う。こいつは春から縁起がいいや。
来週火曜日、コクテイルライブの告知ハガキを作る。明日、「ささま」「音羽館」「興居島屋」に置いてもらうつもり。これ、いちおう、限定の紙ものだから、来れない人もチェックしてください。
川本三郎さん『東京暮らし』を読んで、電車に乗って、無性にどこかに出かけたくなる。川本さんが住む、同じマンション内に、みっちゃんという小学生がいて、川本さん家のネコを見にくる。この話、庄野潤三の小説みたいだな。
蟲文庫田中美穂さんの『苔とあるく』WAVE出版の増刷が決まったそうです。美穂さん、おめでとう!
では、では。