チューリップな日々

okatake2008-03-08

土日に仕事ができないぼくなんだ。だめだなあ。
昨日はギンレイのプログラム最終日。「ある愛の風景」と「エンジェル」。「ある愛の風景」はデンマーク映画。後方支援というかたちで戦地に赴いた夫の機が撃墜、死の知らせが妻と二人の小さな娘のもとに届く。刑務所から出てきた弟が、義姉のことを気にかけ、家に出入りするようになり、キスをしたりする。そこに夫が、じつは捕虜になって生き延びていることは観客に知らされ、家に戻ってくる。酷い体験をした夫は人が変わり、精神を病む。重い映画だ。その重さに耐えかねて、途中、二人の老年の客が席を立って出ていった。つらすぎる。最後、少し軟略陸するが、印象は暗い。代わって「エンジェル」はへんてこな映画。違った傾向の映画を2本立てで見る、ぎくしゃくした感じが残って、楽しめなかった。
高円寺即売会も覗く。光文社のカッパ・コミックス「鉄腕アトム」を3冊、250円から300円。赤塚不二夫編集「まんがNo.1」の第4号を450円で買う。つまりマンガばかりだ。どの店の出品だったか、マンガがやけに安かったのだ。これを買い占め、すぐさま中野のまんだらけへ持っていけば、飲み代ぐらいは出そうな。手塚治虫は単行本になるたび、絵をいじるので、この初期のかたちの絵が見られる点で、この雑誌型の「鉄腕アトム」はいい。
昨夜、NHKでチューリップの解散を追うドキュメントを見る。チューリップが好きと告白するのは勇気がいるが、ぼくは70年代ぐらいまでは好きで、アルバムも買っていた。「テイク・オフ」というのは名盤だと思う。それで、今日、昼飯食いがてら「ブ」へ寄ったついでに、チューリップベスト3枚組というのを買ってくる。後半は知らない曲ばかりだ。
「心の旅」は彼らの4枚目のシングルで大ヒット。ぼくらがちょうど高二のころで、校内でも昼やすみにじつによくかかっていた。山本も聞いていたはずだ。これ、録音の時、ディレクターが急に、それまで財津がボーカルと決まっていたのを、姫野に歌わせたそうだ。姫野は「いいのかな、って。ちょっと財津さんの顔を見たのを覚えている。やっぱり、悪いから」と告白していた。
「ブ」で、買ってあるはずの、見当たらなくなった村上春樹東京奇譚集』が105円であったので、買って、今度はすぐ読む。ううむ、まごうことなき、そしてちょっと忘れてかけていた、村上春樹的世界だ。短編、やっぱり巧いなあ。すっかりいい気持ちになった。村上春樹を読むと、ジャズが聞きたくなるし、お酒が飲みたくなるし、糊の利いたシーツの上で眠りたくなるし、明日は早起きして、ちゃんとヒゲを剃ろうと思う。なんでだろう。
実業之日本社から武良布枝ゲゲゲの女房』届く。つまり、水木しげるの奥さんだ。奥さんから見た水木しげる。これがおもしろいの。あと、「ブ」では、桂歌丸『極上 歌丸ばなし』うなぎ書房ほかを拾う。歌丸横浜市黄金町の「富士楼」という遊郭で生まれる。落語家になるには、絶好の環境だ。
あ、そうそうディオンヌ・ワーウィックが歌うバカラック曲集、ってのも買ったんだ。その写真を乗っけておきます。では、では。
それから、今年の「一箱古本市」にも応募しました。先着順というので、どうでしょうか。ぼくは5月3日に希望。