渋谷の夜の落語会

okatake2008-01-27

書き忘れたことだけど、「題名のない子守唄」の舞台となったイタリアの町はトリエステ。そうだ、須賀敦子じゃないか。『トリエステの坂道』。それで、また須賀敦子が読みたくなって。
昨日は、夜、渋谷の長井邸で毎年恒例の鳳楽さんの落語会(自宅のリビングで行われる。席亭は長井夫妻)にでかけるので、それにあわせ、ちょいと高円寺の即売会へ。大正15年刊、岡本一平『へぼ胡瓜』の函入り、割合状態のいいのが800円で出ていて、まずはこれを抱える(後ろ見返しに松屋呉服店のシール)。もうこの一冊でいい、という満腹感を用意して、ゆったりと午後の本棚を見てまわる。
INAX出版『『室内』の52年』が500円。図版が楽しい。それに文庫を2冊。
山手線で渋谷に出て、改札を出たが、自分がどういう位置にいるかわからない。宮益坂のある東急側に出たら、東急文化会館はつぶされ、なくなっていた。風景が一変していた。で、こっちに出たのが間違いなのだが、歩道橋の上に立って、ぐるり見渡すが、長井邸の場所がわからなくなった。渋谷で右往左往する。なんとかたどりついた。長井さんともひさしぶりに言葉を交わす。
この日40名くらいお客さんがあって、20畳はあるリビングが寄席に早変わり。自宅で噺家さんを呼んで、落語会をもう10年以上、開いている。最前列に小学生低学年の子供が3人並ぶ。落語がわかるかしらん、とその後ろで心配していたが、男の子がキャッキャッと受けて、鳳楽さんに後で宴会の時、ほめられていた。
この日の演目は「長屋の花見」と「味噌蔵」。ほんとうに目の前で落語を聞く、というのがなんとも幸せで、もう細部まですっかり覚えている二つの演目も楽しかった。宴会では「地球の歩き方」社長の西川さんとずっと喋っていた。
帰りに夜道は寒かったなあ。